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20141126 Red Lion, London to Japan.

11時頃に目覚める。Javiの家で寝落ちをしていたようだ。


昨夜の賑わいが嘘のように静まり返っている。
行かなければ。
荷物を纏めて帰ろうとしたとき、Javiが起きてきてくれた。
じゃあ、また会おうねと。
なんとも呆気ない別れ方だ。
旅とはこういうものなのかもしれない。









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家に帰って荷造りをする。
まさか彼らもスネアの中に入るとは思っていなかっただろう。









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meeは仕事に出てしまったのでもう居ない。
簡素な置き手紙を書いて、鍵を机の上に放った。
彼のサポート無くして、ここまでのゆとりは生まれなかっただろう。
食材は何でも使っていいと言ってくれて、
しばしばご飯を持って帰ってきてくれたこともあった。
飲みにも連れて行ってくれた。
こんな僕に何故ここまで尽くしてくれるのだろうか。
ほんとうにありがとう御座いました。
しっかり恩を返さなきゃいけないな。


最大重量の機材を息を切らして運ぶ。
地下鉄は比較的空いていて荷物置きにも余裕がある。
昨日録音した音源を聴いてみた。
はっきりいって、やりたい放題過ぎてなかなかに酷い。
だけれども漲るもの、熱いものを感じる音だった。


空港手前のActon Townで下車。









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ロンドンの最後はやっぱりここ。Red Lion.


ん?何故グラスが2つ…









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Javiと久し振りの再会。
最後に最後まで付き合いのいいヤツです。









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GUINNESSに始まりSTRONGBOW、Kronenbourgと、ロンドン思い出3本セット。
後半は差し迫る時間を気にしながら無理矢理流し込んだ。


やや急足で駅へ到着し、反対方向に乗るJaviといよいよお別れ。
Billの分もと、2度ハグして別の階段を降りた。
電車に乗り、走り出すと共にイヤホンを取り出してRumble Onを聴いた。


前回は、この空港までの道のりに強い切なさを感じていたが、
今回はいよいよ全部やり切ったという気持ちからか
はたまた、また半年後を見据えているからだろうか
もう帰ろうかな。という気持ちにすらなっていた。
そう、また半年後に来ます。
この気持ちは最初、自分の裁量に過ぎないので曖昧なものだった。
だけれども今は、来ると宣言している。
新しい仲間がそれを確約させてしまったのだ。
またお金貯めなきゃ笑。









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空港に到着して手続きをする。久し振りに日本語での会話をする。
僕って言語での意思疎通できるんだったな。
あっさりと飛行機に搭乗し、英国の地を発った。
航空会社から連絡があって、乗る予定の航空機が欠航となり
代わりに帰りはANAに乗れることとなった。
一体何が違うのか









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全然違った。(ビールが)
主力メーカー選びたい放題。
更にラッキーなことに、隣が空席。
天国かいここは。









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まずはテトリスで最高得点を出しておく。


飲んで、本読んで、飲んで、クラプトンのライヴ映像観て、飲んで、寝て。
起きて、飲んで、食事出てきて、ブログ書いていたらあっという間に到着。
前回も帰りは早かったなぁ。


そしてこの時間が新たなる発見を起こしてくれた。
この数週間、殆ど自分のドラムの音ばかりを聴いていたため
久し振りに落ち着いて他者の演奏を聴くと、
自分の長所・短所が改めて浮き彫りになったのだ。
新たなる悟りを開けたような気持になった。


ANAはビールもだけど食事が美味しかった印象。
機内も清潔だし快適でした。
椅子がリクライニングできないのは何故だ…。


着陸態勢に入る前に音楽をLED ZEPPELIN IIに変更。
Rumble Onで着陸したのはまるで申し合わせたかのようだった。









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穏やかな空が広がっていた東京。
空港から電車に乗ると、どんどん人が押し込まれてくる。
目を逸らしながら。
新宿駅では人が多すぎて別の酔い方をしそうになった。
すっかり忘れていた。こんなにゴミゴミと、陰湿だったっけ。


最後の力を振り絞るかの如く、肩で息をしながら家に到着。
帰ってきた。いつもの低い天井がお出迎えしてくれる。
スーツケースからもいよいよ限界を感じさせられた。
厳しい旅を本当にお疲れ様。
実は左足首を挫いていて、こちらも悲鳴を上げている。
満身創痍。


こうして今回の旅はおしまい。
始まりれば終わりがあり、終わりは始まりを意味する。
明日から日常に戻る。レッスンとサポートが待っている。
また半年後の「修行」に備えて、もっともっと上手くなろう。
ロンドンよ、待っていて下さい。


Thank you all friends!
especially Javi, Bill from "EVEREST", Kiki and Mee.
see you soon!


それでは、続きはwebで。チーン。

20141125 #stdrums in ox Oxford Circus & Camden Town.

昨夜は早起きも影響したのが早い時間に寝た。
しかしなかなか寝付けない。
ストレートに書くとmeeのイビキが半端じゃないの笑。
色々作戦を実行しているうちに10時に。
よく寝た割に体力が全く回復していない笑。


今日はとある計画のためにお昼から動く。
このために作曲を進めていたのだけど、
引きずり続けている昨夜の余韻のお陰でそうもならなくなった。
ふと起き抜けにアイディアが浮かんだので、
身支度をしながらなんとか形にしてみる。


ドタバタのまま外出してmeeと共にJavi, Billと合流。
1時間ほどで計画は無事に終了。
これに関しては追ってお伝えしようと思います。









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ヒントはこれ。


meeと別れて我々はOxford Circusへ。
彼らの親戚(何人いるのだろう)のアリシアも合流してお昼を取る。
イングリッシュモーニングと紅茶。
ここにきてようやくロンドンに来た感じが出てきた。


さて、夕方前からここで路上ライヴをやろうと目論んでみた。









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解りにくいですが奥にセッティングされてます。
都心のど真ん中。
しかし反応はあまりよくない。
Javiもなにやら調子が乗らないようだ。
1時間ほどやってみて、移動を決める。
やっぱりここだ。Camden Town.
セッティングして音出しをすると、さっきと全然違う。
身体と音が1つにならないとJaviが言っていた。なるほどね。


今日のカムデンは特に酔っ払い(?)が多く、
演奏前から厄介なまとわり付きが始まる。
うち1人が特に酷く、片っ端から通行人に絡んで回る。
それを嫌がるために人が全然立ち止まってくれない。
最後の夜にとんでもない貧乏クジを引かされたものだ。
残るCDは十数枚。ちょくちょく捌けてはくれるが、まだ余っている。
と、ここでJaviが機転を利かせて、フリーCDを宣言してくれた。
しかしこのとき既に人が殆どいない状態。
更に近民の方から苦情がきてしまったらしく、
場所の移動も余儀なくされた。表通りの方へ移動する。


これが功を奏したか、酔っ払い達がいなくなった。
数曲を演奏すると人が集まってきてくれた。
今ならいける…!
Javiの呼び掛けと共にCDが一気に無くなっていく。


残るはあと1枚。


売れてくれ。


僕らの目的は若干別の方向にずれていたのかもしれない。


そしてとある男性が、£1硬貨を5枚投げ込んでくれた。
身体を通していた一本の柱が取れた気持ちになった。









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全てのフライヤー、CDを最終日に無くし切ることができた。
演奏中に最後の1枚が売れたため、曲を終えて一息つく。
かと思いきやJaviは別の曲を弾き始めた。


ああ
このイントロは


Rumble Onだ。


Billと僕も、導かれるように演奏を始める。
熱いものが込み上げてくる。
このときばかりは、自分達のためのみに演奏をした。
あんな純粋な演奏は2度とできないかもしれない。
一生忘れられない思い出をありがとう。









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#stdrums はやらないのかと聞いてくれた。
確かに、最終日にそれをやらないのもどうかと思い、叩かせてもらった。
2週間前、同じ場所でやったとき、僕は1人だった。
(大道芸人Spikeとその他大勢の酔っ払いはいたけど笑)
今は後ろにこんなにも安心できる仲間がいる。
音楽の力は偉大だ。言語を飛び越えて人を繋げてくれる。
音楽はほんとうに凄い。
いい演奏だったかはわからないけど、彼らは喜んでくれた。


続けること数十分。警察の方々が現れてライヴは終了。
大勢の観衆に見守られることもなく、あっさりと最後の夜に幕を閉じた。
さあ、飲もうぜ!
Javiの住む家へそのまま向かう。
ドラマーJordiともまた会えてよかった。









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至福の一杯。
学校の授業でドキュメンタリーを撮影しているという女性陣2人も合流。
関わってくれた人々が集まってくれるのは嬉しい。









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昔はどんなバンドをやっているのか訊かれたので、
某國バンドの映像を皆で観るという、何ともシュールな光景。









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改めて、2週間前にこうなるとは思っていなかった。
もっと孤独な闘いが待っていると予測していた気がする。
全ては路上で起き・出会い・繋がり・深まっていった。









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Javi, Billとはもはや毎日会っていた。
CDが全部売れたのは間違いなく彼らのお陰だった。
ここまで気が合うのは、ただ新鮮な偶然を楽しんでいただけだろうか。


酒も進み、身体もようやく疲れを感じ始めたのか
最終日にも関わらず、呆気なく夜の深みに落ちていったのでした。









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それでは、続きはwebで。チーン。
£65.68

20141124 part.2 FRIDAY NIGHT IS MUSIC NIGHT: PROCOL HARUM in Dominion Theatre.

お昼過ぎに帰宅。1日が長く感じられるのは早起きをしたお陰か。


今夜はDominion TheatreでProcol Harumのコンサートがある
以前チケットを買いに行ったらSOLDOUTと言われてしまったので、
何か入場できる手段を考えていた。









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基本に忠実に行きます。
結構ロゴが上手く書けた気がしますね。


もし入れなかった場合、夜を無駄にしてしまうので
機材を持って行くか悩んだ。
ダメだったらそのままライブをしに行けばいい。
しかし入場するために行くのだから、
後手を考える必要は無いと判断し、看板のみを持ってに会場へ向かった。
朝もそうだったけど、手が空いてる移動は久し振りな気がする。
これが、手ぶら…。


まずは試しにチケット販売に改めて確認してみる。
もしかしたら当日券のようなものがあるかもしれない。









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はい。あっさり買えました。
SOLDOUTとはなんだったのだろうか…?当日券なのだろうか。
そんな疑問も期待が上塗り潰す。
ここ英国の地でProcol Harumが観れることとなるとは。


一瞬外に出て戻ると入場が始まっており、劇場内へ向かう。









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今回ライヴではなくコンサートと言い換えている理由は
この通り、BBCオーケストラとの共演であるから。
劇場での公演なのも納得できる。荘厳な作りだ。
チケット番号を頼りに席へ向かうと









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なんと最前。
チケット受付の方が「近いけどいい?」といっていて、
問題どころか、ましてや最前なんて運が良過ぎる。
と、確かにいざ座ってみるとステージ全体を見渡すには近過ぎて
ご覧の通りキーボードでドラムが隠れてしまう状態。
ゲイリーを観るにはこの上なく最高な席。
なによりこの距離で見れるなんて…
このとき既に期待が高まり過ぎて泣きそう笑。









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Geoff Dannのドラム。
前回来日と同じかな。
そういえばあのドラムテックの方はいらっしゃらないのだろうか。
常連?の方がステージのセットリストを見ながら雑談している。
そんなのってアリかい笑。
その人らが片っ端からステージ側のPAの方に挨拶していて、
彼も一人ずつ丁寧な対応をしていることから、
スタッフチームのリーダー的な方なのかもしれない。
タイミングがあったら声を掛けてみよう。


ほぼ定刻に客電が落ちてぞろぞろとオーケストラがステージへ。
盛大な拍手と共にメンバーも現れ、いよいよショウがスタート。
もう、1音目から死ぬかと思った。
巨大なワイングラスに満杯の水が入ってこぼれ出しているように、
荘厳な美しさが満ち溢れている。
ただただ圧倒されて、涙で前が見えない。
ゲイリーの声は全く衰えておらず、前回感じた驚きが再来する。
笑いを誘うMCも好調。何いってるか殆どわからないけど、
今日は地下鉄で来たと言っていた。まじかい。


身体がようやく落ち着いてきて冷静さを取り戻すと、
この距離のせいか、ステージでなにかトラブルが起きているのがわかる。
ギターのGeoffが展開を把握していない?
ベースのMattが曲の流れをアクションで指示しながら進めるも、
どうも上手くいかないようだ。
時々苦笑いを浮かべながらセットリストは進んでいき、
Salty Dogで前半が終了。
あのカモメの声、ギターで出せるのか…。


休憩中に、例のPAの方に余裕がありそうだったので話をしてみる。
2012年の来日を観に来たかを聞いてくれた。
そうそう、その時に折れたスティックを貰ったんです。
どうやらそのときと全員同じスタッフさんらしく、
「そこの席だね。誰がそうしたのか訊いてみるよ」と言ってくれた。
なんたる神対応。


前半はオーケストラをメインに出したような作りだったのに対して、
後半はバンドがメインという印象。
コンサートサイド・ライヴサイドといったところか。
驚いたのが、別人かと思うくらいギターが生き生きとしている。
不安を全く感じさせず、ソロも絶好調。
ほんと一体何があったの笑。
2曲目でまさかまさかのNohting but the Truth!
ハマったきっかけとなった大好きな曲をまさか聴けるとは…。
Ino the Floodを終えると、なにか初期を匂わすMCを挟んで
オーケストラにゲイリーがサインを出した。


あのイントロが流れ始めた。
もうね、ダメ。反則。
ものごとの多くはやはり表裏一体しているらしく、
感動を超えて、恐怖に近い戦慄すら覚えたのはこれが初めてだった。
全身で音を浴びる。
圧倒的なスケールに「持っていかれる」ような錯覚さえあった。
この美しさと一つになりたい。身体に取り込みたい。
もはや嗚咽笑。涙で明日が見えない。
曲が終わると同時にスタンディングオベーション。
本当に、素晴らしかった。
すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…


全ての気力を使い果たしてしまい、もはや消化試合で最後まで観る笑。
アンコールでConquistadorを聴けたのは嬉しかったな〜。
あのライヴ盤と同じだ。


60年代から今もなお活動し続けるProcol Harumは、
オーケストラとの共演でありながらも紛れも無い「ロックバンド」だった。
思わず立ち上がってガーッとやる感じがあるんだよね。
Geoffのバズロールのキメ細かさは芸術的だったなぁ。
オーケストラも勿論、特にコーラスが素晴らしかった。
声は特別な魅力がある。分厚いファルセットだったなぁ。









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人生これまでで最も素晴らしいコンサートを見たと断言できるものでした。
なんど気絶するかと思ったか。
人に無闇に海外行けとか言えないけど、
外国の音楽が好きならその本国で観るべきだと感じました。
スケールとパワーの桁が違う。
BBCラジオで放送されるらしく?音源で発売されたら絶対買うわ。


終演と同時にセットリストを貰える期待を抱いてステージまで向かうと、
先ほどのPAの方がわざわざ出向いてくれて、









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なんとスティックとセットリストを渡しに来てくれました。
この方こそが前回も対応してくれた人なのかもしれない。
更に #stdrums のCDをゲイリーに渡してくれるというのだ。
看板でチケットを手に入れたときに、
お礼で相手に渡そうと思って1枚持ってきていたもの。
忙しいなか、トーマスさん本当にありがとう御座いました。
またライヴで会えるといいなぁ。


帰路につくものの、放心状態でパブへ辿り着く。
祝杯を挙げなければならない衝動に駆られていた。
曲作りを進めたかったのだけど、
五感全てで吸収した音を消化しきれてなく、
他の音を身体が受け付けず、GUINNESSを飲んでも震えが止まらない。
どんだけ衝撃受けたんだ笑。
今回の旅の、最大のご褒美だったのかもしれません。
全てのタイミング・優しさ・音楽に感謝して、最後の夜に備えるのでした。


それでは、続きはwebで。チーン。

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