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誰でもわかる!?レルレ流 『カクシンハン版 リチャード三世 + ヘンリー六世三部作』ガイド&公演詳細

絶賛稽古中につきブログでのお知らせが遅れてしまいました。
休憩時間の合間を縫って書いております。
シアターカンパニー・カクシンハン第9回公演
『カクシンハン版 リチャード三世 + POCKET HISTORY ヘンリー六世 三部作』


前作第8回公演『カクシンハン版 ジュリアス・シーザー』よりドラムとして参加。
今回会場のシアター風姿花伝から "2016年度プロミシングカンパニー" に選定され
劇場からのバックアップも頂きながら1ヶ月のロングラン公演を行います。









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カクシンハンは毎回何か新しい挑戦をしているようで、
『オセロー』では同じストーリーから「白版」「黒版」という2つのバージョンを上映。
『ジュリアス・シーザー』ではさきに書いたとおり生ドラムを起用。


そして今回は「リチャード三世」と「ヘンリー六世」の2作品を同時に上映します。


2つのアルバムを同時進行で作っているようなもの。
しかも「ヘンリー六世」は三部作なので、4つを一挙に公開と言っても間違いではないでしょう。
…恐ろしいことを考えつくものです。









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稽古に参加して数週間。
徐々に今作の旨味も見えてきました。
できることならば自分のための整理も含めて、
「ヘンリー六世」と「リチャード三世」のストーリーを書いてみようと思うのですが、
イギリスの歴史も絡んでくるので、出演者の僕ですら理解が怪しいです笑。
しかしカクシンハンは知らない人でもお楽しみになれるように作ろうとしています。


なのでここは前回も使った
「知らないからこそ自分なりの言葉で説明する」
で行こうと思います。
因みに前回定義したチケット金額の件は今回も同様です。


【プレゼン:なぜ 『カクシンハン版 ジュリアス・シーザー』 を観に来るべきか。】
http://www.rerure.com/blog/diary.cgi?no=499









「リチャード三世」のストーリーをさっくり書けば
リチャードさんが身内・周りの人間をを片っ端から騙しまくって王位に就きます。
王位継承権にあたる人間を片っ端から排除し、消去法で自分が王になるわけです。
その経緯は奇跡に次ぐ奇跡といったもので、
百面相の演技と嘘八百の言葉のみで乗りこなします。
自分が殺した王様(ヘンリー六世さん)の嫁・アンを口説き落とすとか、
シェイクスピア氏は何を考えてんだか笑。
リチャードを演じる河内大和さんは
リチャードの演技を演じるわけです。


無事に王様になったものの残忍さのエスカレートは止まらず、
あっという間に正義のリッチモンド軍が現れて負けてしまい、
内乱も終わりイングランドに平和が訪れました。というお話。









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リチャードさんからすれば「王位に就く」ことそのものが目的だったのです。
それは物語の冒頭・アンを口説き落とした後の傍白によく現れています。
彼が幸せを得る瞬間はほんの一瞬しか書かれておらず、あとは転落の一途。
なので、こんなに残酷な悪党なのに何故か可哀想に見えてしまう。
幸せ者を憎む。リア充大っ嫌い。でもそれは容姿のせいでもある。
最強の小学生を傍から見ている気持ち。という感じでしょうか。


前回「ジュリアス・シーザー」は
・王様 vs 暗殺者たち
・やっつけた!
・理由を説明→覆される
・復讐される→暗殺者たち死亡


というストーリーがアクションとしても解り易く書かれていたのですが、
「リチャード三世」は人間関係やリチャードさんの心情を中心に物語が進み、
気付けば形勢が逆転していたり、上にも書いた嫁が口説かれていたり。
翻訳家・松岡和子さんの
「シェイクスピアの台詞は俳優に演技の膂力を与える」
というお言葉のとおり、より台詞1つ1つが舞台上で快活に転がるように思えます。


フツーにやったら面白くないけど派手にし過ぎると話の内容がわからなくなる。
とんでもなくシンプルで、しかしやりようにやっては面白くなくなってします。
バンドで言うならば、Beatlesの楽曲をいかにカッコよく演奏して聴かせるか。
如何にシンプルに、その言葉を理解してもらえるか。伝わるか。
日本語だからこそ成し得る面白さもあるのではないでしょうか。









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「ヘンリー六世」は三部作で、シェイクスピアのデビュー作といわれております。
そのまま演じようとすると本来10時間くらいかかる大作。
それを70分×3に凝縮する試み。
登場人物も大変多くて横文字なので誰が誰だか混乱することもしばしば…。
エドワードだけで4人くらいいます笑。佐藤や鈴木ばっかりいる印象。
それでも概要をわかりやすく説明しながら進んでいく予定なので
「マンガでわかる三島由紀夫!」みたいなものでしょうか。
時間軸で流れていくので、スピード感を楽しめる作品です。






【第一部】はヘンリー五世さんが亡くなって、まだ幼いヘンリー六世くんが即位します。
勿論政治なんぞできないので、摂政という役割の人が代理で行います。
イングランドとフランスが戦争します。
優勢劣勢を繰り返し沢山の戦死者が出ます。
あのジャンヌダルクも出てきます。
が、もはや魔女・悪役として描かれているのも面白い。
ヘンリー六世くんは政治ができないので、摂政や血統の内乱も見えてきます。
イングランドがフランスから王妃を迎えて戦争が一旦収まるのですが…


【第二部】ヘンリー六世くんは若者といえるくらいの年齢。
王妃マーガレットはサフォークさん(既婚)が個人的に気に入っているだけで、
王族の結婚としての身分は雲泥の差。
それでいてヘンリー六世くんは大喜びでサフォークさんを出世もさせます。
滅茶苦茶な事態に国内の貴族同士の溝がどんどん深くなっていきます。
マーガレットも相当ブイブイいわせていて、
まだまだ若いヘンリー六世くんは置いてきぼり。
ヘンリー六世さん(ランカスター家)の血筋と、
ヨーク家(リチャード三世さんの親父)という血統が
王位を争って戦争を始めます(薔薇戦争)。
まずはヨーク家が勝ちます。


【第三部】ヘンリー六世くんは成人。ヨーク家はヘンリー六世くんと
「ヘンリー六世が死んだら王座はヨーク家のもの」という取り決めをします。
(ヘンリーくんを殺してしまうとまた後々内乱を引き起こす可能性があるため)
しかし王妃マーガレットはブチ切れてヨークさんを殺します。
約束を破られたのでヨーク家の息子たち(エドワード・ジョージ・リチャード)が立ち上がります。
ヘンリー六世くんを取り敢えず幽閉します。
ランカスター家の幼いリッチモンドくんは危ないのでフランスへ逃げます。
(「リチャード三世」で最後に平和を収めるのがこの人)
戦争しまくって勝ち負け・寝返り・残虐行為を繰り返し、
最終的にヨーク家の息子たちが勝ち、
マーガレットさんはイングランドから追放されフランスへ戻されます。
そして長男のエドワードが王になりましたとさ。
幽閉されていたヘンリー六世はリチャードさんが殺してしまいます。
(そこまでする必要が無かったのにしてしまうのがリチャードの残忍さ。)






うーむ頑張ってこの情報量…笑。
時間軸が流れていくので、スピード感を楽しめる作品です。
三部作を通じて大人になっていくヘンリー六世をお楽しみ下さい。









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第三部でイングランド国王になったエドワード四世。
その弟の一人がリチャードさんです。
最後のシーンから主人公が1人にフォーカスされるような印象で
「リチャード三世」が始まります。
タイムラインがしっかり繋がっているので、
「ヘンリー六世」に登場する多くの人物が「リチャード三世」にも出てきます。
あの人がここに出てくるのか!という驚きと楽しみも多く孕んでいます。
…そうか、だから2作同時上映なんだな…。









本公演は「リチャード三世」は一か月のロングラン公演ですが、
6日~10日は【プレ公演】となっておりチケット料金がお得です。
「ヘンリー六世」は6日間のみの公演となっております。


「リチャード三世」に出てくる登場人物を「ヘンリー六世」で探すのも面白さの1つなので、
プレ公演で「リチャード三世」→別日に「ヘンリー六世」
これがおすすめの観劇方法と言えます。
タイムライン通りに観劇されたい方は
21,22,28,29日に「ヘンリー六世」→「リチャード三世」と一気に観ることも可能です。


ここでは伝えきれないものばかりですが、
メインとして話が面白い「リチャード三世」
その源流となる歴史を書いた「ヘンリー六世」
「ヘンリー六世」は三部作なので、
リチャードさんの活躍と性格が明るみになる「第三部」から「リチャード三世」の世界に入る。
こんなやり方もあります。
お時間の許す限りお楽しみ下さい。









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「リチャード三世」は台詞を伝える重要性が高い作品ゆえ、
どっしりと構えて作られてしまうケースが多いらしいです。
我々はアクティヴに・楽しく・解り易く行きます!
僕が居る以上、今回もガンガンロックンロールしますよ!
「ライヴハウス風姿花伝」でお待ちしております。









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2016年5月6日(金)~5月31日(火)
シアターカンパニー・カクシンハン第9回公演
『カクシンハン版 リチャード三世 + POCKET HISTORY ヘンリー六世 三部作』
@シアター風姿花伝
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《リチャード三世・公演情報詳細》
■STORY
世界を憎悪し、信じるものは己の野心のみ。王位のためには手段を選ばないリチャードは、
実の兄を陥れ、殺した敵の妻を口説き、幼な子を惨殺し、利用し尽くした臣下はゴミのように捨て、疾走する。爽快なまでの「悪」を貫くシェイクスピアの生みだしたトリックスター。「悪」の先に待ち受けていたものとは・・・

■CAST
河内大和/真以美/のぐち和美/岩崎MARK雄大/穂高/阿久津紘平/浜ゆうこ/大津留彬弘/井上哲(以上、カクシンハン)
神保良介/鈴木智久(スタジオライフ)《ダブルキャスト◆》/白倉裕二《ダブルキャスト◆》/葛たか喜代《ダブルキャスト◇》/奥山美代子(文学座)《ダブルキャスト◇》
近藤修大/山口祥平/田部圭祐/福島和也/長田大史/桜木綾 ユージ・レルレ・カワグチ

■TIME TABLE
2016年5月
6日(金)19:00●
7日(土)14:00●/19:00●
8日(日)15:00●
9日(月)19:00●
10日(火)14:00●☆
13日(金)19:00☆
14日(土)14:00☆
15日(日)15:00
16日(月)19:00
17日(火)14:00☆
20日(金)19:00☆
21日(土)19:00
22日(日)17:00
23日(月)19:00
24日(火)14:00☆
27日(金)19:00
28日(土)19:00
29日(日)17:00
30日(月)19:00
31日(火)14:00

●プレ公演
☆アフタートークを開催
受付開始:開演の30分前
開場:開演の20分前
*開演時間を過ぎてからのご来場は、ご指定のお席にご案内できない場合がございます。
*未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。予めご了承ください。

■TICKET
※全席指定
一般4,000円 プレ公演3,500円 U-22チケット2,500円
※U22チケットは数量限定・受付にて身分証のご提示をお願いいたします。
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《ヘンリー六世三部作・公演情報詳細》
1部 二つの国 1422-1444
2部 二色の薔薇1445-1455
3部 二人の王 1460-1471

■STORY
フランスとの百年の戦争と、それに続くローズ・ウォーズ(薔薇戦争)。それぞれの家族のなかに積み重ねられてきたヒーローたちの争いの歴史は、ここにきてついに国を二つに分裂させてしまう。野心深い貴族たちは潰し合って倒れてゆき、罪なきものたちも踏みにじられ散ってゆく。幼くして即位したヘンリー六世王がおさめるイングランドは、親から子へと受け継がれてきた不満の遺産を清算する血塗られた五十年となったーー

■CAST
河内大和/真以美/のぐち和美/岩崎MARK雄大/穂高/阿久津紘平/浜ゆうこ/大津留彬弘/井上哲(以上カクシンハン)
時田光洋/神保良介/近藤修大/山口祥平/葛たか喜代 ユージ・レルレ・カワグチ

●料金 全席自由席
【三部作セット券】4500円
【一般】各2000円
【U22チケット】各1000円
*U22チケットは数量限定・受付にて身分証のご提示をお願いいたします。
*三部作セット券は、1部・2部・3部各1回ずつご観劇いただけます。また、同日に三作のご観劇はもちろんのこと、別日にご観劇いただくことも可能です。
※ヘンリー六世三部作を全て購入されたお客様に、受付でカクシンハンバッチをプレゼント!(※当日にチケット3枚をご提示頂きます。)

●開演スケジュール
2016年5月
(一部/二部/三部 の順)
19日(木)14:00 / 15:30 / 17:00
21日(土)13:00 / 14:30 / 16:00
22日(日)11:00 / 12:30 / 14:00
26日(木)14:00 / 15:30 / 17:00
28日(土)13:00 / 14:30 / 16:00
29日(日)11:00 / 12:30 / 14:00


受付開始:開演の20分前※整理券を配布します。
開場:開演の15分前は
※三部作セット券は、1部から2部、2部から3部の入れ替わりなく(お席を変わらず)ご観劇いただけいます。
※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。予めご了承ください


■シアター風姿花伝
〒161-0032
東京都新宿区中落合2-1-10
TEL 03-3954-3355
www.fuusikaden.com
電車
■ JR山手線「目白駅」より 徒歩18分
■ 西武池袋線「椎名町駅」より 徒歩8分
■ 西武新宿線「下落合駅」より 徒歩10分
■ 都営大江戸線「落合南長崎駅」より 徒歩12分
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それでは、続きはwebで。チーン。