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20140409 LONDON LEICESTER SQUARE & COMDEN TOWN

ここロンドンは天気が悪い。
特に4月は晴れることなんてまずない。
そう噂を聞いていたものの、昨日今日と晴れが続いている。
ラッキーというか、ある意味期待はずれというか。
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シェアメイトのコウキがLeicester Squareのデンマークストリートという場所に
楽器屋が並んでいるという情報をくれたので、
そんな気候のなか行ってみることにした。
広大な空は今日も想像の斜め上をいってくれる。
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旅立つ前日のライブに来てくれた友人が、
3ヶ月遅れの誕生日プレゼントをくれた。
中にはオモチャサイズのジャンベが入っていた。
色合いもよく、何より抜群に小回りが効く大きさなので、
旅の相棒として荷物に入れておいた。
いつでもR&Rできるぜ!


Leicester Squareは到着するとかなりの都心であった。
宿があるACTON TOWNは若干郊外に当たるのだろう。
英国人は勿論、観光客でごった返す街。
応じるようにレストランやパブが
見つけられない方が難しいくらいに点在する。
都心においても建物は低い。
土地が広いとはこういうことなのだろうか。
人混みにストレスを感じさせない。


常に人と車が行き来するような交差点でも信号機が無いことが多い。
人がわらわらと渡ると、車が溜まってくる。
ふとしたタイミングで、人が渡るのを止めると車が流れ出す。
今度は「そろそろでしょ」という間合いで人の流れが車を止めて横断していく。
結果的にテンポの早い信号機の様なルールができあがっている。


日本人は空気を読む力を強く要求し合っているけれども、
この交差点の渡り方を覚えればいいのではないだろうか。
中にはちょっとしたスキを見て渡っちゃうやつもいる。
別に、それはそれでも良いんじゃないかと見える。
トウキョーの人ゴミとはなにかが違う。
旅先だからそう感じているだけかもしれない。








そういえばまだ日本円を換金していなかったので、
近くに施設を見付けて試みる。
「こんくらい持ってるんだけど 」
「こんくらいになります。
どうします?」
…わからん。
わからんけど、まあ何処も同じでしょ。
「オーケーよろしく」
「はいどうぞ」


ちょっとして、別の施設を見つけた。
…全然どこも同じじゃない。
明らかにこっちの方が良いレート。
しかもちょっと待って。
手数料みたいなのをがっつり取られてる…。
こっちは…手数料無し!?


観光で初心者をいいことに、
戻ってキャンセルの交渉をしてみる。
しかし答えはノー。ネバー。
システム上、キャンセルそのものができないらしい。
とても申し訳なさそうな空気だったので嘘では無さそう。
お金を扱う内容なのでわからんでもない。
…わからんでも
…ないけど…。
黄昏ながら近くのコーヒーショップでカプチーノを飲む。
約2万円の一杯だと、頭に叩き込みながら。
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目的のデンマークストリートはメイン通りを右に入ったところにあった。
DRUMという文字が目に入って気分が高揚する。
(心の2万箇所ある傷を少し癒してくれた)
短い通りに楽器屋と音楽関係の書籍屋が並ぶ。
しかしその中は殆どギターショップで、
入り口のドラムショップもメインはギターの様に見えた。
ロンドンのドラマーはどこでボンゾになれるのかを聞いてみたところ、
ウェンブリーギターセンターという場所で買うらしい。
聞いた名前が曖昧だったけど調べて行ってみたいな。


街の散策すると、日本人が勤める服屋もいくつかあって、
店の佇まいにシンパシーを感じるものが多い。
入ったとある服屋はレコードもそれなりにあって、
ROBIN TROWERのfor earth belowの(恐らく)オリジナル盤を発見!
帰国時にどのくらいの量になってしまうだろうか…。


近くにあったCD屋も物色。
新作で名盤確定 - 10£
新作で売れてます - 8£
色褪せない名盤 - 6£
名盤 - 5£
名作・投げ売る名盤 - 4£
有名バンドの売れたやつ - 3£


といった感じに値段がハッキリ分かれていて面白い。
どれも納得価格。
レコードも新品で沢山売っていた。









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街の散策に少し飽きて場所を変更。
CAMDEN TOWNへ向かう。
音楽との繋がりを聞く街だ。
到着すると早速パンクスがお出迎え。
皆とてもオシャレで思い思いの服装をしている。
お土産ショップとマーケットが通りにずらりと並ぶ。
レコ屋もいくつかあり、露店にもなっていた。
しかし到着が少し遅かったので大体が既に閉店。
また、改めて来よう。


近くのパブへチン入。
あれ、1パイント4£?
ACTON TOWNでは2£ちょい。
都心と郊外では少しの距離でここまでも変わるらしい。









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暫く街を散策していると、犬の散歩をしているおばちゃんと遭遇。
ナリを気にしてくれたらしく、いい音楽はもう聞いたか?と。
革ジャンパワーだ。
まだだと答えると、オススメのパブを紹介してくれた。
名前はモニックとのこと。
DEMONICの頭抜きと覚えた僕はヘヴィメタル。
質のいいライブをやっているらしい。


RPGではこちらから情報を貰いに行って次の展開を迎えるのに、
街の長老クラスの情報を向こうからくれたおばちゃんありがとう。


指示通り道を歩いてみたものの、聞いた音を冠する店はなかった。
同じ通りを何度も往復するが見つからない。
途中にドラムが組まれているパブを見つけたので、
モニックは一度帰って調べてから行こうと、
今日はこの店に決めた。


日本でいうライブハウスとはまるで違う。
バー(飲み屋)の延長線上にライブがあって、
それはお客にとってお目当てとなる。
勿論ノーチャージ。お客は美味いビールをどんどん飲む。
利害一致が自然に成立している模様。


暫くして最初のバンドのライヴが始まった。
ドラム、ギターとキーボードヴォーカルの3ピース。
この鍵盤奏者JOEL SARAKULAのソロ名義らしく、
鍵盤はエレピ&ベース音が出る2台を操りながら、
歌まで歌ってしまう器用さ。
しかも歌がメチャクチャ上手い。
ドラムが最高に上手い。
3連符を使いこなしてハードヒットを決めまくる。
曲がメチャクチャかっこいい。
言うことなし!


しかもまだ対バンもあった!
2番目はJOELバンドのギターのメインバンドらしく、
かなりストレートなブリティッシュロック。
トリのバンドはDUB STEPってやつかな。
ドラムだけハネて引っ張ってるのに、
他のメンバーは16で演奏するという
斬新なグルーヴだったのだけど、
バンドもお客もそんな細かいことはどうでも良さそうだった。


歴然と違うと感じる「何か」は、
予想するにその自然さなんだと思う。
全く構えず、気負わず、
息をする感覚の様に音楽をやっている。
合うのもズレるのもテンポが動くのも自然な世界。
ここ最近心にしていた音楽への感覚が具体化されていた。


3つの中ではJOELのバンドが断トツに好きだった。
近付いて話してみるものの、口が全く回らない。
GREAT!くらいしか言えないのに、親身に聞いてくれる。
ドラムも特に最高だったので話に行くも、同じ現象。
"TRIPLETS" が頭に浮かんでいるのに言葉に出ない。
それでも、親身に聞いてくれるんだよなぁ。









そしてこの店こそが"THE MONARCH"であることを知ったのは、
その名前が店内にあったためだった。
そんな細かいとこは抜きにして、
素晴らしい時間でした。









さて終電だと、
少し急いで地下鉄へ向かう。
するとギターケースを持った方に話し掛けられた。
腰に付けているそれは何かと。
オモチャの打楽器だよ。
セッションしないか?
と、おもむろにギターケースからはチェロが出てきた。
しかもこのチェロは再生機がついていて、
普段はそこから同期を流して演奏しているみたい。
流れる打ち込みビートにジャンベを合わせると、
後ろから来た通行人がノッてくれた!
終電を気にして演奏は正味1分くらい。
終わると持ってる小銭をごっそりくれた。
チェリストはそれを僕に渡して
「いい旅を」と言ってくれた。


今日の換金における、会話内容を流してしまったことによる失敗や、
言語でのコミニュケーション弊害があったり、
1日を通じて感じていたもやもやを、
1分のセッションが全て振り払ってくれた。
音楽は世界の共通言語であると
当たり前に言われている言葉を、
身体で感じることが出来て本当に幸せで、
思わず泣いてしまった。
大袈裟だけど、奇跡の様な時間だった。
腰に下げていた相棒に心から感謝。
プレゼントでくれた友人にもありがとう。









楽しい時間にはリスクがつきもので、
LAST TRAINと謳われた電車に乗ったものの、
乗り継ぎを待ってくれずゲームオーバー。
そこからTAXIで宿のあるACTON TOWNへ。
考えてみれば初めて乗るタクシー。
チップとかよくわからず、しっかり寝落ちまでしまった…笑
今日はどんな一日になるでしょうか。
夜明けと共に考えてみるのでした。









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それでは、続きはwebで。チーン。


BGM - JOEL SARAKULA / the golden age
全体を包み込むしっとりとしたサウンドは
ブリティッシュロックそのもの。
コーラスワークが大変気持ちいい。
PROCOL HARUM, BEATLES, BOWIEの雰囲気でしょうか。

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