記事一覧

20140426 Phoenix Theater, Imperial Arms.

激動の一日を終えて、
ロンドンで夜を迎えられるのもあと2日と迫ってきた。


Earl's Coatで出会ったmeeとはfacebookでやりとりをしていて、
今日お別れ会をしないかと誘ってくれていた。
気持ちはありがたいのだけど、数日後帰国する僕にとっては
他にも回ってもっと色々を吸収したいと思っていた。


そんなことを考えながら彼の投稿を追っていると、











ファイル 345-1.jpg
やりやがった笑。
ドラムを買っておくよといってカホンを用意してくれていたmee.
本当にドラムセットを用意してくれたのだ。
夜の予定が決まり、Leicester Squareへ。


アイルランドでの日記で少し触れているのだけど、
ONCEというDUBLINの路上シンガーを題材にした映画がある。
旅行が数倍楽しくなるから観た方がいいと
highenaの文菜から薦めてもらったのだが、
曲・ストーリー・風景の全てがピュアで、大変感激した。
翌日サントラを買ってこの旅行へ持ってきたのは言うまでもない。


その気概を持ってロンドンに到着すると、
至る所にONCEの広告が貼られていた。
2007年の映画なのに今更どうしたのかと思うと、
ミュージカル版のONCEが偶然公演中だったのだ。


この因果に乗らずして何とするか。


Leicester Squareには劇場が数多く点在し、
そのチケット売り場も多い。
友達から地下鉄構内にあるオススメの売り場を教えてもらった。
最初に案内してもらった席は金額と相応する妥当な席で、
少し悩んでいると、受付のおばちゃんが再度検索をしてくれた。
あなたラッキーね!と提案してくれたのが、
前から3列目、ど真ん中の席。
やや金額は上がってしまったけれどもどうでもいい。
全ては因果の流れのままに。











ファイル 345-2.jpg
大体のミュージカルは昼の部と夜の部がある。
チケットを取れた昼の部までまだ時間があったので、
近くのパブで一杯引っ掛けた後にPhoenix Theaterへ。


手続きを済ませて入場すると、
ステージがパブの作りになっていて、
観客が上がって飲んでいる光景を目の当たりにする。
演劇に使うセットもそのままだ。
初めてのミュージカル体験なので
こういう恒例行事があるのかと思った。











ファイル 345-3.jpg
早速便乗してMURPHY'Sを飲む。
特殊な光景に圧倒されてながら楽しんでいると、
出演者と思われる方々が楽器を持って登場。
観客がいるステージでアイリッシュミュージックを演奏し始めた。


パブでスタウトを飲みながら土臭い音楽を聴き入る。
そう、これはDUBLINを錯覚させてくれる演出だったのだ。
数曲演奏されると主人公らしき演者が現れて、
我々観客は席へさり気なく誘導される。
そこから、始まりの合図も無しに演目が始まった。
徹底した雰囲気作りに早くも感動しっ放し。


基本的なストーリー構成は映画とほぼ同じ。
大きく違うのはバンドメンバーを路上ではなく、
各所で繋がった仲間を入れる点。
ヒロインが押せ押せのキャラクターになっていて、
初めて見る人でも映画を知っている人も楽しめる
見事なバランスを突いている。


ミュージカルの醍醐味なのだと思うけど、
場面の変更や、演出の細部までに気配りがされていて、
いちいちよく出来ている。
監督は一体どんな天才なのだろうか。


When Your Mind's Made Upのレコーディングで、
纏まっていないバンドが最高な演奏をするシーンは
今思い出しても鳥肌が立つ。


最後にFalling Slowlyをもう一度演奏するとき、
ヒロインがピアノに挨拶をするシーンで、
涙腺は完全に崩壊。
その挨拶のシーンは最初笑いのネタとして出てきたものなのだけど、
最後には彼女のピュアな部分として出てきて。
きっと見ていない人にこの話は伝わらないので、
もう止めておきます笑。
ヒロインのキャラクターが本当純粋で正直で、
最高のミュージシャンなんだよなぁ。


勿論英語での演目なのだけど、
ストーリーを知っているので何とか追うことができて、
充分に理解して楽しむことができた。
初めてのミュージカルがONCEで本当に良かった。
全ての偶然でこの時間を過ごせたことに感謝。











終演後はまだ時間もあったので、
この期に及んでロンドン市内を観光。











ファイル 345-4.jpg
トラガルファースクエア。
逆光のいい写真ですが、公演の雰囲気は全く伝わりませんね。











ファイル 345-5.jpg
LONDON EYEと呼ばれる巨大な観覧車。
秘密結社と関係がありそうな感じがしますね。


テムズ川をそのまま南へ向かうと











ファイル 345-6.jpg
Big Ben!











ファイル 345-7.jpg
真下から。
どうやって組み立てたんだろう。











ファイル 345-8.jpg
隣接するウェストミンスター宮殿。
綿密で繊細なのだけど、サイズは規格外。











ファイル 345-9.jpg
陽が落ちていく美しいロンドンの日常。
当たり前に過ごせるロンドン市民は贅沢です。











約束の時間になったのでImperial Armsへ。
本当に用意されているドラムセット。
どうやらこの日僕はスタッフ側として扱われているみたいだ。
GUINNESSを飲みながらまずはセッティングを手伝う。
割り箸でキックのストッパーを作る匠の技術が光る。


いざ演奏するかなと思いきや、
肝心のミュージシャンがほぼ居ない。
ちょろっと音出してあとは飲む。
イエガーやって、スネークバイトやって。
シェアハウスの仲間と一緒に店に来たのだけど、
後半からはカウンター入って勝手に注げよ飲めよといった状態。


すっかり酩酊して、地下鉄の終電もとっくに過ぎている。
昨夜深夜バスで帰れた経験を元に帰ろうとすると、
meeがタクシーを呼ぶからそれで帰りなと言ってくれた。
ありがたいのだけど、僕らはバスで帰るよ。
しかし呼んでくれた彼の心意気を頂いた。
meeと再会を誓う。
また、絶対会おう!











こうして宿までタクシーで戻ってきた。
お代を払おうとすると


要らないよ。既に貰っている。



…!


そういえば、飲み代は…??











それでは、続きはwebで。チーン。

20140425 part.4 The Sunflower Lounge to London.

St.Michael and all angels Churchからタクシー会社へ電話を掛ける。
これまでボディーランゲージもあって
英語でのコミュニケーションが取れていたが、
電話、ましてや西部訛りの英語相手だ。
最も実力が試されるときが来ていた。


繋がると開口一番
"Hello, are you YUJI?"


おま


確かに、行きのタクシー内で僕の名前を事務所に伝えてくれていた。
恐らくこの近くで電話を掛けるなんてのは僕くらいだったのだろう。
それにしても、それにしても。


10分で到着すると伝えられ、30分後に迎えてくれたタクシーに乗る。
運転手さんに"are you enjoy?"と訊かれたのが印象的だった。


彼はなんとJasonをタクシーに乗せたことがあるらしい。
しかも少し寄り道をしてくれて、
当時メンバーがよく通っていたといわれるパブの前を通ってくれた。
今すぐ飛び降りてGUINNESSを堪能するべきだったか。


行き帰りは別の運転手さんだったのだけど、
2人とも"Hats off to Led Zeppelin"の話をしてくれた。
オフィシャルのZEPトリビュートバンドらしい。
カバーバンドでそれだけ知名度があるのも流石である。


Droitwich Spa駅へ戻ってきた。
運転手さんに強い感謝を伝えてお別れする。
電車を待っていると、あれだけずぶ濡れになった服がもう乾いていた。
素晴らしき乾燥気候。
住民が傘を差さないのはすぐ乾くからなんだね。











ファイル 344-1.jpg
暫く待った電車に乗りBirminghamへ戻ってきた。
ボンゾの墓へ行ったことにようやく現実味が出てきて、
この経験を誰かに伝えたいという気持ちが沸々と現れる。











ファイル 344-2.jpg
そのタイミングで発見したThe Sunflower Loungeというパブ。
今日はライヴもやっているらしい。
生音が漏れる店内へ突撃。











ファイル 344-3.jpg
常連とバンド関係のお客で賑わい、訛り英語が喧騒のように飛び交う。
Norwood Junctionのパブで感じた度・アウェイの空気だ。
ようやく一息つける安堵感と緊張感が入り混じる。











ファイル 344-4.jpg
日本人が1人で飲んでいるのは珍しくみえるのか、
何人かが話しかけてくれたので、
ここぞとばかりに今日の奇跡を伝えようとすると、
意外にも反応は薄い。
おい!ここはバーミンガムだろ!
そして音楽をやるやつらが少なくとも集まっているんだろ!
もっとあるだろ!グレイト!とか、クール!とか。
いや、ここら辺は言ってくれたな…。
伝説ではあっても今を生きているバンドではない。
地元の反応とはそれくらいのものなのかもしれない。











シェアハウスのメンバーが集まると連絡もあったので、
店を出ることにした。
もう気持ちは落ち着いたし、充分堪能できた。
ロンドンに戻ってたっぷり話を聞いてもらおうと企んでいた。
まだ明るい外に出ると、ベンチで数人が話をしていた。
見るとバンドマンの風貌で(店の写真に写っているヤツら)
この人たちなら話を解ってくれるかもしれない。
最後に自慢話を聞いて貰って帰ろう。


こうして突然の挨拶から知り合うことになったPaul, David, Andy.
彼らは今日出演するDark Actorsのメンバーだった。
この後ライヴを見ていかないかと尋ねられたので即前言撤回。
ボンゾの話をすると、今までとは違う喜ばしい反応をくれた。
メンバーの1人が(確かPaul)Robert Plantと遠い親戚らしい。
段々馴染ませてもらえて、ちぐはぐで何度も聴き直して、
なんとか会話を成立させる。
SABBATH, THE MOVE, MOODY BLUESなど
Birmingham出身バンドの話で盛り上がる。
Duran Duranには、ちょっと嫌な顔をしていた笑。











ファイル 344-5.jpg
こうして出演の時間になりライヴのスペースへ。
入場は3£。気楽に入れます。
Dark Actorsはトラディショナルなブリティッシュロック!
Duran Duranに微妙な反応を示す理由もうなずける。
ボンゾを切っ掛けに知り合えた仲間の演奏は
最高なひと時を届けてくれた。











ファイル 344-6.jpg
終わった後も皆で飲む。
彼らの友達Siobhanはアイルランド出身らしい。
彼女はとても親切で、わからない言葉も
なんとか噛み砕いて伝えてくれた。
帰りに乗る電車が同じものだったらしく、
Dark Actorsご一行と駅へ向かう。
これで帰り道も安心だ…!


あれ、
皆さん、
随分手前のCoventryで降りちゃうの?
皆、今日は本当にありがとう!
突然過ぎて気持ちが入りきらないまま再会を誓う。
がっつり飲んだ状態での深夜のイギリス旅行。
この道中、どうなることやら…。











この旅のスタート地点、LONDONはEustonへ到着すると、
そこから先の電車は全て終了していた。
時間は24時頃。
そりゃ、そうか。
タクシーを案内されたが、流石に高額になり過ぎる。
何とかHAMMERSMITHまで向かう深夜バスに乗ることができた。
CODAを聴いて今日を回想しながら、
深夜の街をダブルデッカーでゆっくりと進む。
1時間ほどで到着して、ここから数多ある行き先のバスの中から、
ACTON TOWNへ向かうバスを探す。
携帯電話の電池はもう切れてしまい、
地図を見ながら歩くという選択肢は無くなってしまった。


右往左往していると、同じ行き先へ向かう旅行者がいたので、
彼と手分けして、30分後くらいになんとか目的地へ向かうバスを発見。
これで、帰れる!











暫くバスに揺られていると、見慣れた街が見えてきた。
駅前で降りて、彼と握手をして別れた。
ちゃんと、戻ってこれた。
時間は深夜3時頃。
天気はすっかり回復し、大きな月が顔を見せていた。











こうして長い長い1日が終わった。
一緒に居てくれたPaul, David, Andy, Nick, Siobhan.
そして僕とバーミンガムを繋げてくれたJohn Bonham.
本当にありがとう。
開かれたらしいピザパーティーの余りものを温めて食べながら、
またもう一度、LED ZEPPELINを聴き入るのでした。












ファイル 344-7.jpg
それでは、続きはwebで。チーン。

20140425 part3. I met John Bonham.

ファイル 342-1.jpg
LONDONから約3時間掛けて、
RushockはSt.Michael and all angels Churchへ到着した。









ファイル 342-2.jpg
隣に家屋が一軒あるだけで、平野がずっと遠くまで広がっている。
トーキョーではまず考えられない、幻想的な世界。
鳥の鳴き声と雨音がくっきりと耳に入ってくる。









木の扉を開けてゆっくりと教会内に入る。
さまざまな形の墓石が並ぶ。
立ち入る人も多くないのか、芝生が綿みたいに生き生きとしている。
1つ1つを確認しながら、ぐるっと裏のほうに回ってみる。









開けた広場に出ると、
明らかに個性的な墓石が目に飛び込んできた。









その瞬間、心臓が止まるくらいの衝撃を受けた。
思わず駆け寄りながら、涙が溢れ出てきて止まらない。
必死に言葉を出そうとするも、感情が交錯し動揺に近い状況。
あなたに会いに来ました。
会うために日本から来ました。
まともに文章にできたのはどの位経ってからだろうか。









ファイル 342-3.jpg
世界を熱狂させた伝説のバンドのドラマーの墓は
両手を広げて納まる位のサイズ。
特別な扱いをされているわけでもなく、
他の方々と肩を並べるように眠っている。
お供えとしてシンバルやスティックが並ぶあたりが、
なんとも彼らしい。


僕も普段使っているLudwigの5Bを持ってきた。
彼が使っていたとされているものと同じスティックだ。
あとは名刺の裏に手紙を電車内で書いた。
これもTHE SONG REMAINS THE SAMEのデザインを頂いたもの。
スティックと一緒に置かせてもらった。









ファイル 342-4.jpg
強くなる雨のなか、写真の位置に座る。
イングランドの旗が雨雲の強風に煽られる。
隣に生えている木のお陰で、少し雨が和らいでくれた。
横に眠っている別の方にもちょっと我慢して頂く。


まずはBooker T & the M.G.'sのSoul Dressingを聴く。
このアルバムに収録されている"Outrage"
ハードヒットでスウィングしているAl Jackson, Jrのドラムは、
ボンゾがインスピレーションを受けたと確信していて、
この曲を彼と一緒に聴きたかった。


懐かしい。
いい曲だ。
全然違うよ。


果たしてジョンはどう思ってくれただろうか。









そして、いよいよLED ZEPPELINを聴く。
ほぼ全てのアルバムを持って来ていて、
CDプレーヤーが雨に濡れないようにディスクを選定する。
散々悩んだ挙句、IVにした。
やっぱり、これになった。
僕がZEPPにのめりこんだ切欠のアルバム。
Black Dogが大地を揺らし、Rock n' Rollが空気を切り裂く。
素晴らしい。最高のアルバムだ。


だけど、頭ではここに来るまでに聴いていたアルバム
your time is gonna comeが鳴っている。









作品の途中という無礼さを承知の上で、再生を停止した。
すぐに1stにディスクをチェンジする。
Good Times Bad Timesがヘッドホンから流れると、
曲の幕開けと共に全てが納得できた。









ファイル 342-5.jpg
バンドが成功して製作したIVは、既に見ている世界が違う。
今僕が見ている空は、彼らの故郷の空だ。
聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚の全てがサウンドと溶け合う。
やぼったくて、田舎臭くて、エネルギーに満ち溢れている。
この世界が作り出したアルバムは1stだった。


Gonna Leave You, You Shook Me, Dazed & Confused,
世界をあっと言わせんとばかりの雷のようなドラムが身体を貫く。
こんなにハードヒットするサウンドが当時あるだろうか。
曲と同調するように雨脚と風もどんどん強まっていく。
最高。


電車内でも印象強かったgonna gome.
ゆったりした曲調でもボンゾらしさがしっかり生きている。
バンドインするときの衝撃はどれも生半可なものじゃない。
Black Mountain Sideの後に突然始まる
Communication Breakdown.
よりパワフルに、フェードアウトしてもドラミングは限界を知らない。
スタジオ盤でありながらもセッションの緊張感を持つ
I can't quit you baby.
そしてラストの8分を超える大作、How many more times.
テーマを終えると中盤からセッションが始まり、
自由なドラミングが宙を舞う。
常識に囚われない発想で曲が豊かに転がっていく。
様々な表情を、自然に・大胆に表現するドラム。
決まりきっていない・しかし柔軟で常に驚きを与えてくれる。


集団において「こうしたい!」を貫き過ぎるのはただの我儘だ。
では気付かれない様に身を潜めて無難にこなすべきか。
それは違う。
違うと、彼が言っている。


俺はこんな具合だ。
お前はどうだ?
自由を忘れていないか?
信じるものを貫いているか?









ラストのけたたましいシンバルワークを取りこぼさず聴き終えたとき、
1つの確信を持った。
ジョンは僕にそれを教えてくれた。
こんな経験、二度とないよね。









すっかりずぶ濡れになった身体を起こす。
いつまでも居座ることはできるのだけど、
なにかのタイミングが別れを示唆してきた。









ファイル 342-6.jpg
実は写真は載せているのが全てで、これ以外は撮っていない。
(充分な量かもしれないけど…)
彼はロックンロールスーパースターとなり、
多くのファンと写真撮影をしてきただろう。
しかし、相手が墓石となってしまったとはいえ、
一方的な思い出のためにボタンを押すのは気が向かなかった。
もうジョンからは充分、経験と助言をもらったのだから。
でも最後に、今回の旅に一緒についてきてくれた相棒と
写真を撮ってもらった。
目の前に置くと、何粒かの雨がジャンベを叩いてくれた。
福音を聴きながら写真を撮り終えると、
友達が何か偉業を成し遂げたかのように、
本当に嬉しい気持ちになった。









ここで肝心なことに気付いた。
スティックや名刺は持ってきたが、お墓参りなのにお花が無い。
来ることに精一杯で、餞になるものの用意をすっかり忘れていた。
全く何をやっているのか。


何か餞になるものは無いかと身の回りを探してみる。
買ったレコードもTHIN LIZZYじゃ意味無いし。
まだ食べてないサンドイッチも迷惑なだけだ。


こっちに来て買った革ジャンも探してみる。
普段使わない右ポケットに手を突っ込んでみると
2枚の5ペンスが出てきた。
数時間前の記憶が蘇る。


1枚は餞別として墓石に置かせてもらい、もう1枚は持って帰る。
この旅でこのポケットを触らなかったらいつ気付いていただろうか。
ロンドンが導いてくれた、僕とジョンとの絆だ。









僕は感謝の気持ちとお別れの挨拶を止め処なく伝えながら、
その場を離れた。









ファイル 342-7.jpg
教会の正面に戻ると、館内には自由に入れるようだ。









ファイル 342-8.jpg
入り口には墓の配置リストが掲載されてあった。
ジョン煩悩ナム。









ファイル 342-9.jpg
タクシーを待つ間の雨宿り。
雨音のリズムと鳥達のハーモニーが近付き過ぎず離れず、
自然な音楽を作り出している。


おかしいと思われるかもしれないが、
この一連を、僕は心中で思うだけではなくずっと話し掛けていた。
彼の演奏を聴くことで、返答をもらった。
最初に墓石と目が合ったとき、自然と涙が溢れてきた。
親族の前だったとしてもこうはならないだろう。
彼は死んでしまい、この世にはもういない。
だけど、僕はジョンボーナムに会った。
僕にとって本当に大切な存在であることを気付かせてくれた。


ここに来て改めてジョンボーナムの偉大さを知り、
ようやくLED ZEPPELINの片鱗に触れられた気がする。
そして今後もLED ZEPPELINを敬愛し、
そのドラムスタイル・サウンドを受け継ぎたい。
この巡礼は、これまでの人生で最も純粋で神聖な時間だった。


遠くからタクシーのエンジン音が聞こえてくる。
今日はもうさよならだけど、また必ず来ます。
これからも永遠の目標とさせて下さい。
ありがとう、John Henry Bonham!