METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

Daily

THREE DAYS IMPRESSION: “DYNAMITE GIG vol.22” 〜東京を繋ぐ夜編 20211212〜

投稿日:2021年12月13日 更新日:

12月12日
町田Nutty’s

#STDRUMS
SMASH YOUR FACE
DEATHRO Beatless Lonely Set
サイプレス上野とロベルト吉野

初DJ・ドラムセッションイベントと2日間の刺激を受けて12日。
妹の誕生日であり、この3日間の締め括りとなる日曜日は既に無敵を約束されている。

昨夜の充足感を引きずりながら、今日予定している曲順データを書き出し。
すっかりギリギリの時間となり、忘れ物の不安もある快晴のなか町田へ。

Nutty’s との関係は店長シムさんとの出会いを振り返らなければならない。
ROSEROSE 在籍時代、電車の中で座っているシムさんを発見。
URBAN TERROR やPIZZA OF DEATH との関わりがあり、顔を存じていた。
そのときお声掛けしたのが最後か…?15年程の時を経て再開。
ハコの名前がプレイハウスからNutty’sに変わる間の時期に一回来たような記憶がある。
「あのときと言っていることが変わってないね〜!」
今日この場所に来れたことが、既に目的の1つであった。

到着して早々にサウンドチェック。
今日から借り物のLudwig 60’s 400の登場。
5インチのスチール材スネアを試したかった矢先、貸してくれる友人が現れた。
ヴィンテージ機材もまたこの数年で値上がりを重ね続けている…。

ドラムでありソロであるため、出音のバランスは自動的にPAさんへお任せ。
場合によっては一瞬で終わるサウンドチェックだが、今日は全体を細かく通す流れに。
中盤の『新曲ゾーン』の演奏が始まると…あれ…?曲が合わない??
データのトラブルがあり、新曲が使えない事態になってしまった。
ここのゾーンは飛ばして、最後に何かをくっ付ける方針に逃げ道を作る。
ちゃんと全体をおさらいしていたのが不幸中の幸い。

3日間ライヴを続けてきたわけではないので、物販を組むのが久し振りな感覚。
町田といえばディスクユニオン、軽く覗くと結構な混雑っぷり。
状態を見たい盤が多くてお店に迷惑を掛けてしまったかな…。
日曜とあってか15:30には開演。

“DYNAMITE GIG vol.22”
当初【SMASH YOUR FACE のTシャツを着てくれば入場無料】という特典があった。
ところが昨日に急遽告げられた、全員入場無料。
無論、会場には賃料が発生している。
だが自然と「SMASH YOUR FACE らしい!」と思えるのが流石だ。

そもそも今日12日は、私が別会場でのイベントで SYF をお誘いしていた。
だが諸事情あり会場側から頓挫の報を受ける。
すると即日 SYF 側が動いて町田Nutty’s のスケジュールを確保。
自分がその日誘っておいて、出演できないわけがない(出演したい)。
数日で今日の出演者を揃えて、最後の仕上げに全員入場無料。
勝利が確約された夜のはじまり、はじまり。

1番目は “サイプレス上野とロベルト吉野”。
渋谷サイファーの絡みで何度か同じ空間にいながらも、ちゃんとしたご挨拶は初めて。
「俺たちはライヴハウスに迫害されていた時代からこのスタイルを続けている。」
ハコにDJ機材があるのも当たり前になってきたが、当時は全て持ち込み。
楽器を用いたバンドじゃないことが陰口にされていたこともあったのだそう。

1MC・1DJのスタイルを貫き、ライヴハウスで遊び続けてきた男2人のリアルがあった。
ここまで説得力がある「俺たちはなんも変わっちゃいない」はなかなか聞いたことがない。
ロベルト吉野さんの魅せるDJタイム!
やはり今夜は無敵なんだな。

#STDRUMS は2番手。
この日のために組んできた新曲が試せなかったのは残念だが、それもまたライヴ。
2日間でのイン/アウトプットを受けて、フロアからの熱量を共有しようとする。
矛盾を孕んだ現状に違った可能性を見出すことができたかもしれない。
借り物400はスナッピーが随分と緩みやすいので策を講じる必要がありそうだ。

演奏を終えて涼みに地上へ出ると、階段の下から漏れ音が抜けてくる。
幸福に満ち溢れた、気持ちの良さそうな歌声。

“DEATHRO Beatless Lonely Set” 気になっていた DEATHRO と遂に対バン。
バンドでの出演が多いが、この日はソロでの出演。
結果的にソロを最初に観れたことを幸運だと思っている。
弦が切れてギターを借りること、ルーパーが上手く機能しないこと、全てに嘘が無い。
花を置いているのは「華が欲しいから。」
だから「ここはアリーナ」と言えばアリーナになる。
「愛しているぜ!」と叫べば、そう感じられるのだ。
どんなライヴハウスもホールにできる数少ないカリスマの1人。

こうしてトリは “SMASH YOUR FACE”。
ドラムがまっちゃんになって、ロベルト吉野さんが加入して現在は6人組。
観るのも相当久し振りだが、その破茶滅茶っぷりは以前に比べて群を抜いていた笑。
しかしドラムが一本しっかりしているので、曲としてもちゃんと成立している。
揉みくちゃになるフロアを共有し、ちゃんと遊び場が活きていることを実感。
やはり、皆わかっているけど口には出さないということなのだろう。
DEATHRO さんが借りたスケルトンVも無事に破壊されてステージ完了。
物販の机も足が折れるほど盛り上がったそうだ。

終演後も早い時間で、ハコ内でまったり飲む。
最後に記念撮影をと看板前へ揃うと、自らライティングをする DEATHRO さん。
一瞬でその世界を作り込めるのだから本当に凄い。
残党3人でラーメン屋を嗜み解散。

翌日。
各地の飲み屋に異様に詳しい吉野さんから教えてもらった焼き鳥屋さんにイン。
Tシャツは昨夜いただいた “SMASH YOUR FACE”。
KING CRIMSON のインプットから始まり、多種多方面の影響を受けて返した3日間。
東京を憂い、東京を嗜み、東京のフィードバックは町田の夜へと繋がっていた。
様々な価値観と出会い、自分の立場をも見直すきっかけとなった。

ソロライヴに加えて、DJやセッションでの(別の役割での)参加が出来たのも大きい。
ご来場の皆さま、オーガナイザーの皆さま、会場の皆さま。
ありがとう御座いました。
思い出の回収をしつつ、カラスミも成長を続ける…。
次回への架け橋を想像するレルレであった。

RICH FOREVER TRADITION 2021 開催決定!#STDRUMS + Bi-syu (河内大和×横井翔二郎) ドラムソロ×即興朗読ツーマンライヴ

それでは、続きはwebで。チーン。

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