METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums

RICH BUDDIES JAPAN TOUR 2024 総括 Part.2 〜大阪・名古屋・東京完遂編〜

投稿日:

nakaitoshifumi & #STDRUMS
RICH BUDDIES JAPAN TOUR 2024
ツアー総括・前編はコチラ↓

RICH BUDDIES JAPAN TOUR 2024 総括 Part.1 〜仙台・九州合宿編〜

11月7日 (木) 大阪 SOCORE FACTORY
GUEST : メランコリックPP
スタッフ:るんるんナードギャル

仙台・北九州でのライヴを終え、そのまま大分へ残りドラム合宿。仕上がりと共に大阪へ着陸。やや早くに着いてしまったため会場入・即・スタジオ。併設しているからこそできるムーヴを経てサウンドチェック。何故か大阪に来ると喉に違和感を覚える nt と諸々の手順を確認。メランコリックPP の皆さんも現れて和気藹々。

仙台同様この日は対バンでのセットとなる。ミンカパノピカ、エイジさんの新バンドである『メランコリックPP』は nt 発案での初ライヴが実現。Plastics を彷彿とさせる “飛ぶ” ような感覚の音楽。ヴォーカル、オクさんは別の機会で知り合っていたため、想像以上のポジティヴなステージパフォーマンスに圧巻された。実は機材トラブルが発生していたというのも初ライヴらしさ。NEVER ENDING FUN!

#STDRUMS はベースアンプ・後方スピーカーと複数の音を出力するため、音量バランスの差をなくしたいという nt の提案を受け、サウンドチェックでは特に音量の質感を意識していた。機材転換後、ドラムソロを経て1曲目に入った瞬間、全てを呑み込むような爆音がベースアンプから炸裂した。

「下げて」は「上げて」の隠しメッセージか、ダチョウ倶楽部よろしくドラムンベースを刻む。後にベースアンプのインプットに差し違いがあった可能性が浮上。PC側での音量調節も虚しく、ベースアンプは爆裂と呼ぶに相応しいけたたましい音量を終始放ち続けていた。NO SLEEP ‘TIL MINAMIHORIE.

終演後は SOCORE FACTORY で馴染みの人々と戯れたのち、ええかんじ食堂へ移動。数年前 nt との来訪が懐かしい。シンさんともややご無沙汰、トミーくんともう少し飲んで解散。(曖昧な記憶)

翌日、名古屋前乗りのプランがなくなり大阪滞留が決まったため、夕方にスタジオ練習後ヒートくんと合流。工房見学を経て、Yonarte Tattoo と共に事。そして翔一くん。一週間前も福岡で会ったばかりなのに…吸い寄せられる2人。火影・ルイーダと梯子をしてツカ邸へ帰還すればこちらも宴を終えようとしているところ。KINGS OF METAL と共にスパゲティーを作ってもらって就寝。

11月9日 (土) 名古屋 CLUB ROCK ‘N’ ROLL
GUEST : ナカムラルビイ
スタッフ:三ツ石

9時起床。大阪から名古屋のルートでオススメしてもらった「ひのとり」に乗るべく難波へ。つかちゃん・oi.ちゃん、ありがとうございました!柿の葉すしを味わいながら今日の曲順を組み始める。座席の快適さは素晴らしいが、同じくらいの時間でバス/ちょっと上乗せで新幹線に乗れるので「優雅な時間」という感じ。心の余裕を手に入れて新栄 CLUB ROCK ‘N’ ROLL に到着。HEREサポート以来、5年振りの来訪。

「当日のみの打ち合わせ」の良し悪しを見出したため、旅先にてナカムラルビイと3人でのオンラインミーティングを実施。合宿中にデータを交換し今日のセットを作り上げてきた。しかし、やはり新しい試みにはテクニカルな難しさが浮上する。たっぷりと時間を使わせてもらい調整、追加発注したTシャツの裏ロゴのサイズが随分と大きくなり、物販設営を済ませて5分ほど押しての開場となった。

ソールドアウトとなった今日。ナカムラルビイによる選曲での開場から開演し、サックスを吹きながらフロアを練り歩く黒い影。もったりとステージへ上がり言葉を反復するなか、別のトラックを発動してのセッション。ルビイのトラックと “MERCH OF KOKE” は奇しくも同じBPM でシームレスに繋がっていく。

nt からルビイのセッションと繋がり一旦の休憩。”EAR INFECTION” での再開から nt との第二部となり、”SAKASAMA” そして “LETTER YELLOW” はナカムラルビイを交えての3人での演奏。

ソロ・パフォーマンスはミニマルに動ける強みがある一方、コケたらそれまで。今回のツアー最大の収穫となったのは、複数人でステージを作り上げる期待と安心である。「音楽に正解はない」を熟知した人々とのセッションは、狂気が充満しながらも針の穴に糸を通すような細さの認識と目的を共有した際どいバランスを保っており、それぞれが無意識に自身の役割を担う理想的な状況に仕上がった。

nt、ナカムラルビイ、そしてこの注文だらけの進行に完璧な反応の伊藤さん・CLUB ROCK ‘N’ ROLL の協力を得て、#STDRUMS 史上最も充実し、落ち着いた演奏ができたと自負している。東京を残して最後の公演となった名古屋、”LETTER YELLOW” の終盤でスネアの裏ヘッドが臨終する。

終演後は聖地杏花村にて打ち上げ。一旦の収束を分かち合う。その後はタツくん、伊藤さんで観に来てくれた忍者くんのお店で1杯。引き連れて日本酒とアテで包まれたお店を経て、朝方の露店にてシメ。「そのまま東京に帰ってしまえばよかったのでは」と思いついたときには既にタツくん邸へ辿り着いてしまっていた。

翌日、MCの伏線回収をすべくスガキヤデビューを果たして東京へ帰還。荷物を持ったまま八王子で 3x4xS とのリハを終え、事務所へ戻りラジオ収録。19日へ向けてのタスク処理を進めていく…。チケット印字の開場/開演時間に間違えがあり、大変ご迷惑をお掛けいたしました。「モノ」に拘りたい正論に対して致命的なミス。謹んでお詫び申し上げます。

11月19日 (火) 渋谷O-WEST
GUEST : 3x4xS / PEVO / ACE (シークレット)
スタッフ:RICH FOREVER’S FAMILIA

前夜に牡蠣丼を食べて「賭け」に勝った当日。物販と機材を積み込んで会場入り。PAしゃちょー、現場監督シセキ、VJ kaseさんと集合し、天井から下げられた照明のテクニカルチェックからじっくりと組み立てられていくステージ。当日まで全員揃ってのリハーサルは難しく、3×4×SとACEは今日初対面。ギリギリのスタッフ人数での運営ながら、手が多い同線や流れを頭から確認していく。

やや遅れを見せつつ開場時間までには無事にサウンドチェック完了。物販の組み立てはコウちゃんを中心に動いてくれている。一方、急遽英語表記のフライヤーを印刷し、ツツミ、ギンガくん、宮坂くんのチームで夕方頃から外国人集客作戦発動。ライヴとは常に実験の場である。

仙台での経験から北九州でのシームレス転換を経て、大阪での円熟、そして名古屋での完成。ツアーコンセプトの階段を踏んで最終日の渋谷はVJと照明を織り込んだスペシャル仕様。近い距離感でのライヴとコミュニケーションを続けてきた #STDRUMS だが、自前のドラムキットを存分に叩きまくれる機会に恵まれたのも nt とのツアーだからこそ。

本番の進行も実にスムーズ。変貌を遂げ続けてきた楽曲たち。PEVO への参加。3x4xS とのセッション。”渋谷サイファー” で長らく活動を共にしたACE とのフリースタイル。そして nt との演奏。支えて下さるスタッフの方々。フライヤー効果で指笛が聞こえるフロア。一部映像は自ら編集して用意したもの。しゃちょー仕込みの爆音に後押しされ、無事にO-WEST でのライヴを終えることができた。

単独で動き続けてきた結果、支え合ってステージ作り上げる心強さを得られたツアー。バンドへの参加でもサポートでもなく、お互いがソロアーティストだからこそ見れた景色であり、ツアーに力を貸してくれた nakaitmshifumi へ大きな感謝を!

シームレスな転換での演出は “誰の曲” といった情報から解放され、目の前で繰り広げられている光景に集中できる。区切りが付いていないスタンディングのフロアは更なる自由を手に入れることができる。

(誕生日チンチロを嗜むつつみ)
ロンドンへの渡航が中止となり日本への滞留を余儀なくされた2024年。本当は自由でいたい人々が細分化されたルールを望み、「個であれ」と賛同する人々が帯となって群れている。従うことを疑わず、周囲と同調した安全圏内からはみ出さないテンプレートのなかで統率された「自由」。

音や演技など「表現」ではなく「人」が対象となりやすい国。目的は様々あっていいが、付随する情報やゴシップばかりを追い求め、核の表現そのものには結局触れず、勝手な妄想を一方的に投影する人々。

「衣・食・住」以外の “不要なもの” だからこそ、社会にとって意味と価値がある。しかしそれは最終的にポジティヴなエネルギーとして消化し、自分自身の『充足』に繋がるものであり、他者が生み出したものを利用した『評価』を満たすものではない。

「自由」な環境で人々はどう動くのか。ステージに上がった出演者それぞれが渋谷という街とフロアへもたらす影響。外国人が増加する東京と社会。目の前での瞬間の表現とケータイはどちらが大切なモノとなるのか。私のアプローチは常に実験である。

2年越しの【RICH BUDDIES JAPAN TOUR 2024】完遂。ご来場いただいた皆さま、各会場スタッフ・共演の皆さまへ心より御礼申し上げます。ありがとうございました!なにも始まっちゃいないし、なにも終わっちゃいない。自由であれ。そしてリッチフォーエバーを手に入れよう。

それでは、続きはwebで。チーン。

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