激動の一日を終えて、
ロンドンで夜を迎えられるのもあと2日と迫ってきた。
Earl's Coatで出会ったmeeとはfacebookでやりとりをしていて、
今日お別れ会をしないかと誘ってくれていた。
気持ちはありがたいのだけど、数日後帰国する僕にとっては
他にも回ってもっと色々を吸収したいと思っていた。
そんなことを考えながら彼の投稿を追っていると、
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やりやがった笑。
ドラムを買っておくよといってカホンを用意してくれていたmee.
本当にドラムセットを用意してくれたのだ。
夜の予定が決まり、Leicester Squareへ。
アイルランドでの日記で少し触れているのだけど、
ONCEというDUBLINの路上シンガーを題材にした映画がある。
旅行が数倍楽しくなるから観た方がいいと
highenaの文菜から薦めてもらったのだが、
曲・ストーリー・風景の全てがピュアで、大変感激した。
翌日サントラを買ってこの旅行へ持ってきたのは言うまでもない。
その気概を持ってロンドンに到着すると、
至る所にONCEの広告が貼られていた。
2007年の映画なのに今更どうしたのかと思うと、
ミュージカル版のONCEが偶然公演中だったのだ。
この因果に乗らずして何とするか。
Leicester Squareには劇場が数多く点在し、
そのチケット売り場も多い。
友達から地下鉄構内にあるオススメの売り場を教えてもらった。
最初に案内してもらった席は金額と相応する妥当な席で、
少し悩んでいると、受付のおばちゃんが再度検索をしてくれた。
あなたラッキーね!と提案してくれたのが、
前から3列目、ど真ん中の席。
やや金額は上がってしまったけれどもどうでもいい。
全ては因果の流れのままに。
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大体のミュージカルは昼の部と夜の部がある。
チケットを取れた昼の部までまだ時間があったので、
近くのパブで一杯引っ掛けた後にPhoenix Theaterへ。
手続きを済ませて入場すると、
ステージがパブの作りになっていて、
観客が上がって飲んでいる光景を目の当たりにする。
演劇に使うセットもそのままだ。
初めてのミュージカル体験なので
こういう恒例行事があるのかと思った。
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早速便乗してMURPHY'Sを飲む。
特殊な光景に圧倒されてながら楽しんでいると、
出演者と思われる方々が楽器を持って登場。
観客がいるステージでアイリッシュミュージックを演奏し始めた。
パブでスタウトを飲みながら土臭い音楽を聴き入る。
そう、これはDUBLINを錯覚させてくれる演出だったのだ。
数曲演奏されると主人公らしき演者が現れて、
我々観客は席へさり気なく誘導される。
そこから、始まりの合図も無しに演目が始まった。
徹底した雰囲気作りに早くも感動しっ放し。
基本的なストーリー構成は映画とほぼ同じ。
大きく違うのはバンドメンバーを路上ではなく、
各所で繋がった仲間を入れる点。
ヒロインが押せ押せのキャラクターになっていて、
初めて見る人でも映画を知っている人も楽しめる
見事なバランスを突いている。
ミュージカルの醍醐味なのだと思うけど、
場面の変更や、演出の細部までに気配りがされていて、
いちいちよく出来ている。
監督は一体どんな天才なのだろうか。
When Your Mind's Made Upのレコーディングで、
纏まっていないバンドが最高な演奏をするシーンは
今思い出しても鳥肌が立つ。
最後にFalling Slowlyをもう一度演奏するとき、
ヒロインがピアノに挨拶をするシーンで、
涙腺は完全に崩壊。
その挨拶のシーンは最初笑いのネタとして出てきたものなのだけど、
最後には彼女のピュアな部分として出てきて。
きっと見ていない人にこの話は伝わらないので、
もう止めておきます笑。
ヒロインのキャラクターが本当純粋で正直で、
最高のミュージシャンなんだよなぁ。
勿論英語での演目なのだけど、
ストーリーを知っているので何とか追うことができて、
充分に理解して楽しむことができた。
初めてのミュージカルがONCEで本当に良かった。
全ての偶然でこの時間を過ごせたことに感謝。
終演後はまだ時間もあったので、
この期に及んでロンドン市内を観光。
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トラガルファースクエア。
逆光のいい写真ですが、公演の雰囲気は全く伝わりませんね。
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LONDON EYEと呼ばれる巨大な観覧車。
秘密結社と関係がありそうな感じがしますね。
テムズ川をそのまま南へ向かうと
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隣接するウェストミンスター宮殿。
綿密で繊細なのだけど、サイズは規格外。
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陽が落ちていく美しいロンドンの日常。
当たり前に過ごせるロンドン市民は贅沢です。
約束の時間になったのでImperial Armsへ。
本当に用意されているドラムセット。
どうやらこの日僕はスタッフ側として扱われているみたいだ。
GUINNESSを飲みながらまずはセッティングを手伝う。
割り箸でキックのストッパーを作る匠の技術が光る。
いざ演奏するかなと思いきや、
肝心のミュージシャンがほぼ居ない。
ちょろっと音出してあとは飲む。
イエガーやって、スネークバイトやって。
シェアハウスの仲間と一緒に店に来たのだけど、
後半からはカウンター入って勝手に注げよ飲めよといった状態。
すっかり酩酊して、地下鉄の終電もとっくに過ぎている。
昨夜深夜バスで帰れた経験を元に帰ろうとすると、
meeがタクシーを呼ぶからそれで帰りなと言ってくれた。
ありがたいのだけど、僕らはバスで帰るよ。
しかし呼んでくれた彼の心意気を頂いた。
meeと再会を誓う。
また、絶対会おう!
こうして宿までタクシーで戻ってきた。
お代を払おうとすると
要らないよ。既に貰っている。
?
…!
そういえば、飲み代は…??
それでは、続きはwebで。チーン。















