METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums

『日本化する世界』Das Gift Reunion / Final gig at Rad Tanke, Leipzig / #STDRUMS U.K. TOUR 2025

投稿日:2025年11月27日 更新日:

11月25日 (火)
家にあるドラムを1人で持っていく必要があり、エレベーターなし5階という極限条件下なので1ターンでドラムを運び、Uber taxi を待つ。工事中の広い道路でアプリからの場所指定がうまくいかず時間ロス。なんとかお店に到着すると、シャッターが開かなくなってしまったらしい。Berlin life is coming.

こうして “Das Gift” にて Lawrence と再会。2年前、91 Living room のバーテンダーだった彼は野外ステージのライヴを通じて仲良くなり、FIEH のライヴの際にも時間を共にした。彼は現在ベルリンに引っ越し、美味いGUINNESS を出す店 “Das GIft” のマネージャーとして勤めている。今回のツアーについて連絡をしたところ、店でのライヴを提案してくれて急遽日程が決まった。イレギュラーなトラブルから、まともに話したのはひと段落したあと。前より更に背が伸びた?

やや体調不良という Noam も到着して、サウンドチェック・物販を設置して19時過ぎに Chakabalara からスタート。Noam のドラミングはジャジーに自在な浮遊力を持っている。Niv はインプロ・ノイズ寄りのサックス奏者で、ベースドラムのトリガーとアナログシンセが連動するエクスペリメンタル、ダンスミュージック。Lawrence おすすめのケバブを手に入れて、#STDRUMS の準備。

さすがに急遽だったため、人もまばらのなかゆったりと進行… Macbook からランダムで音楽を再生してみると、KLEPTO の Shape of Love が流れるサプライズが発生。雰囲気にばっちりはまっていた。更に、昨日会った Chirs たちが本当に来てくれた。この時点で今日のライヴは成功したも同然。照明の光が直接目に刺さるため、帽子をかぶったままの演奏。

音響のパワーに限界があり、小さくドラムを叩く必要があるのは海外あるある。大音量を前提とした日本のライヴハウスと違って、室内がミュートされず、手元のコントロールで小さい音も聴き手に届くメリットがあるとも言える。音が外に漏れても成り立つのがカルチャーの素晴らしさであるが、ベルリンでは昨今騒音問題が浮き彫りとなってきており、ここ Das Gift も来年には閉店が予定されている。
Noise complaints are killing Berlin bars. Is Das Gift next? https://www.the-berliner.com/berlin/noise-complaints-are-killing-berlin-bars-is-das-gift-next/

今日のライヴも御多分に洩れず…上の階から苦情が入ったらしく、最後の1曲を手前に終了。今季のバスキングにも感じた寛容性の減衰は「なんでもアリ」なベルリンですら影響しているのだった。テクノロジーの進化は画面との孤独な時間を助長し、周囲や環境に向いていた視野を狭めているのか。ある意味『世界が日本化』し始めている。

終演後、来てくれた人々と飲む。Chakabalara は先に帰るとのことで、Niv にタクシー代を渡す。ヨーロピアン向けに作った2XL のTシャツをLawrence へプレゼントすると、Tシャツ代金としてギャラをくれたのであった。なんという愛に溢れた男よ。ベルリンでも MANNEGLASS 連発。こうしてロンドン・オスロ・ベルリンとのトライアングルリユニオンを経て Das Gift 完遂。

11月26日 (水)
8時に起床。Niv と共に駅まで向かおうとすると、託されるキーボードスタンドと板。なるほど…。板は現地調達をお願いして、冷えるスタンドにタオルを巻いて Berlin Central Station へ到着。Noam も合流して、チケットは片道€50 ちょい。(曖昧な記憶) 混み合う車内でなんとか空席を見つけて12時前に Leipzig へ到着。Niv はドラムを受け取りに向かい、Noam と2人で会場 Red Tanke へ辿り着いた。この辺りから Noam コレクションが増えていく。

近くのスーパーでパンと惣菜?の朝食。隣のバーガーショップに相談すると会場裏のテントへ案内してくれて寒さを凌ぐ。ドラムも到着すると、キックペダルがない。なるほど…。一旦荷物を運び入れて、近くのベトナム料理屋でランチを取る。「問題は帰りなんだ」つまり、終電の時間では帰れないとのこと。なるほど…。Niv の辞書に計画性という言葉は書かれていなかった。

英語が通じない優しい店主とやり取りして牛肉のフォーを注文。食後に出て来たのはフォーチューンクッキー。丸型のクッキー内に入っている紙には… “Stay calm, even if you don’t agree with something” まさしく、今の状況に対しての言葉だった。こうして諸々を諦めて、帰りの早朝バスを調べる。セッティング時間に余裕があり、服屋で靴下やら手袋を仕入れて喫茶店に入る。本が並ぶチルでオシャレな空間だが、流れているのはアンビエント寄りのジャングル。隣にいた Eric たちと仲良くなり、今夜について話す。

ペダルの借り口が見つかったらしく、2人が取りに行ってくれるため、わたしは会場に戻って他の準備。18時過ぎからセッティングを始める。しっかりしたドラムキットだが、華奢なペダルがどう出るか。SPD にMacbook を置くセッティングにも慣れてきた。Eric たちも無事に来てくれて (!) Chakabalara のライヴから始まり、#STDRUMS は新曲も含めてたっぷり90分ほど演奏。

ドラムのみの時間から次の曲に行く手前で、ペダルのビーターが崩壊。落ちた部品を探してペダルを組み立てるあいだ、トラックに合わせてNoam と Niv がシンバルなどを叩いて間を保ってくれた。形態はドラムソロだが、助け合ってくれるバンド・仲間のお陰で成立しているツアー。ライヴとは空間をいい状態にさえキープし続けられれば、曲の長さや内容などの「細かいこと」は気にならなくなる。Eric の仲間のラッパーも急遽飛び入りで、Niv と3人で SATURATIONS を演奏。

終演後も会場に居座らせてもらいながら帰りのバスチケットを確認すると、席は残3。ときに計画性は必要となる。すっかりアウトオブコントロール状態の Niv と常に冷静な Noam。ドラムを貸してくれた人が車でピックアップしてくれて任務完了。残りの時間を潰す策を考えていると、スタッフの一人が家に招待してくれて、束の間の休息を得る。

27時過ぎに移動。なにかを焦り続ける Niv。トラムを待ち、目的地の1つ手前で降りる Niv。食事の選択肢がなく、駅構内のマクドナルドへ向かおうと歩いていると限界表明の Niv。栄養補給をして 4:30 過ぎ、とうとうバスに乗車。満席の車内は予約番号もデタラメで、指定の席はさすがに空けてもらう。

朝8時。最後の最後までかき回しに乱されつつ帰宅。海外ツアー先での先導役は堪えた…。同時に仲間の大切さを肌身で感じた遠征だった。”Stay calm, even if you don’t agree with something” こうして今期ツアー最後のライヴを完遂。

それでは、続きはwebで。チーン。

-#stdrums
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