ロンドンでのライヴ初日を経て、この地での日常生活が始まった。これまで路上演奏が歓迎されていた街では騒音苦情が増える一方、社会はキャッシュレス化が進んでいる。変わりゆくロンドンで「バスキング・カルチャー」を地でいく #STDRUMS は、この先どこへ向かうのか。
予想を遥かに超えてブログ更新が滞っている。連絡事項、年末のライヴ準備、バスキング、編曲作業など。新たに加わった動画は勿論、ブログが足枷になるのも風物詩とはいえ、結局は自身のための記録でしかない。
譜面を起こしながらバスでBrick Lane へ向かう。去年も遭遇したカレーフェスティバルが行われており、奥のスポットを取れたため今年は場所の移動をせずに済んだ。イベントの影響でか人の通りも多く、カードリーダーがなくとも充分な反応を得ることができた。
早めにバスキングを切り上げ一息つき、夜に採譜していたバンドのリハーサルのためPeckhamへ。Peckham Soul にてSomething Else のBLUE NOTE 初版を格安で見つけたが、盤ソリ+ヤケ (だが傷は少ない) という「体験専用盤」で、800年ほど熟考して見送る。
去年もサポートしたバンドのリハは思った以上にラフに終わった。Deftones 系のバンドで、全曲質感とテンポが似ていて難しい。(B級スラッシュメタルに狂っていた身ゆえ、蓋もないが…)。ジャンル偏愛は根っこの共有が大切となる。
このバンドは去年に引き続きメンバーを募集している様子。
長い1日を経て帰宅。キャスターの土台がいよいよ崩壊寸前。ロンドン現地での修理を余儀なくされそうである。
翌日のオフに近所を歩いて、ARENA敷地内で木材を発見。B&Q で適切なネジを買って、Mitch から工具を借りてオペ開始。元の土台を外すと…キャスターのネジが外れないように瞬間接着剤+重曹の施工をした過去の自分を呪う。
Mitchネ申は鉄鋼用のドリルビットを出してくれて、ナットごとこそぎ取る方法でなんとかネジを破壊。土台をリプレイスして、キャスターを直接木ネジで打ち込む。ゴム製キャスターはヨーロッパに来た途端一気にすり減っており、ロックが走行の邪魔をするようになったため6つから4つに変更。支障がなければこの仕様のほうが施工が楽でいい。
翌日は試運転も兼ねてKing’s Cross。問題はないが、シンバルスタンドのハマり具合が微妙。イケている人からハンバーガーをもらう。
去年はJaviからカードリーダーを借りることが出来たが、アイルランドの生活でケータイを持っていないらしく連絡がよりつき難くなり、今年こそ困難…かと思われたが、Josh とのコンビネーションワークにより新品でカードリーダーを手に入れることができた。制約が多いロンドンでの生活は多くの人々に支えてもらって成立している。
テストも含めてHighbury & Islington へ行くと、既に別のシンガーがおり万事休す。Brick Lane で知り合ったEraldo とのミーティングを兼ねていたので問題なし。20時過ぎに解散して改めてバスキング。セッティング中に自治体の男性が現れ、20時以降はできないと言われたあと「いいミュージシャンは見逃したいので1時間はやっていいよ」という独自判断をしてくれるのがロンドン。タイミングよく盛り上がり、カードリーダーの充電池は30分程度しか持たず、結果的に別の自治体が現れて終了。
金曜日に再度King’s Cross。土曜日はPortobello Market。相変わらず反応も苦情も多い。GUINNESS を奢ってもらいながら場所を転々とする。その足で夜はMatias のバンド、GAMA REを観に行く。道中The Social のMitch と遭遇するサプライズあり。
日曜日に再びBrick Lane。近隣の住人から「妻が妊娠中で母が風邪引いている」と受けて、流石に音量を気にする。いい感じに演奏できて、途中今季初のメインスポットに移動すると、1時間ほどで恒例の店から苦情が入る…まではよいのだが「次回は自治体を呼ぶ」という「おこ」な様子。
ロンドンは「変わりゆく街」だ。なんでもアリのBrick Lane とは過去の価値観である。前提として打楽器はうるさく、故意に相手の邪魔をするつもりは勿論ない。しかし、大多数がバスキングを肯定的に受け入れてくれる土壌で、カルチャーを売る店がカルチャーを抑制しようとしているのは悲しいことだ。Portobello 然り、迷惑者扱いされ続けてしまうのも疲弊する要素の1つ。
しかし、この苦情は、プラスに変換できるのではないか。ホームレスの人々が小銭 (Change) を求めてくる。ロンドンでのバスキングでは小銭の音が減り、カードリーダーが働き始めている。
家に戻るとARENA 全体での大規模なパーティーが行われており、満月の明かりが分厚い雲を照らす幻想的な状況で、Pete のビートボックスライヴを初めて観る。ルーパーを駆使してのトランシーなサウンド。同じ「ソロ」という立場のパフォーマンスを観て、在り方を考える1日となった。
それでは、続きはwebで。チーン。
