METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums Daily

04/06/2022:BRIAN ENO AMBIENT KYOTO 〜RICH FOREVER TRIP 2022 KANSAI〜 完遂。

投稿日:2022年6月5日 更新日:

ツアーを終えて本日最終日。一足お先に京都にて、噂に聞いていた “フランソワ喫茶店” へ。

京都三大喫茶店と呼ばれているらしく、どの店舗が SLAYER なのか気になるところ。外装・内装は品があり、永久に本が読めそうな環境だ。パンの弾力が楽しいハムチーズトーストと、甘さ控え目でコーヒーと相性抜群なレアチーズケーキ。どちらも絶品。ご馳走さまでした!

隣にはこんなお店が…横井翔二郎と行きたい場所暫定1位に浮上。街並みも遊びが効いていて、歩いているだけで楽しい。

さて本日最終日は “BRIAN ENO AMBIENT KYOTO” へ。事前に取った3枚のチケットのうち、特典ステッカーが付いていたのは2枚のみだったものの、エントランスにいたスタッフの方が「いいよいいよ」とオマケして付けてくれた。ネ申対応をありがとう御座います!

外観から趣のある京都中央信用金庫旧厚生センターでの開催は3F “The Ship” から始まる。薄暗い室内に通されるとギターアンプ4台と四隅に配置された柱状のスピーカーに囲まれた空間に人々が座っている姿がぼんやりと見える。慣れない眼で座ってみると、なるほど、各スピーカーから流れる様々なループが配置の妙を以ってして聴き手に訴えかけてくる。音楽に「方角」を紐付けることで、リズム・メロディー・ハーモニーに区分されない新たな体験を得られるのだ。身体を近付けてそれぞれのスピーカーを覗き込む姿は、確かに展覧会の絵画を見入るような姿勢にならざるを得ない。

特に面白かったのは四隅の1辺、近付くと急に身体を冷気が包む…そのスピーカーはエアコンの間近に設置されていたのだ。クールダウンと合わせてマントラのような音像を味わっていると、突如センタースピーカーから暴力的なノイズが溢れ出し、正面のVOXアンプからはギター・覆うように管楽器が鳴り響き、あっという間に空間はEPIC 支配され大満足。この時点でチケット代の元は充分取れたといえよう。

3人の顔の変化を追うことで視覚的トリックを誘発される “Face to Face”、オブジェクトの照明の移行を楽しめる “Light Boxes” を閲覧すると、モーフィングする発想がのちのテクノに大きな影響を与えていることがよくわかる。後者はエアコンの近くに座ったのが「功を奏した」のか、無音になった時間からエアコンの音だけが残り、再び楽曲がフェードインしてくると、エアコンの音程とハーモニーを築き出す奇跡に遭遇。これ、狙って作ってたら凄すぎるな…。”Light Boxes” は是非エアコンの近くで鑑賞することをオススメします。

1F に戻ると、先ほどのステッカーをオマケして下さったスタッフの方が「最高でしょう?」と話しかけて下さった。出演バンドだけでなく会場と一丸となってライヴを作っていくのと同じように、ここまで気合いの入ったスタッフの方々と開催されているのは燃える。BRIAN ENO AMBIENT KYOTO は展覧会であり、ライヴであり、進化し続ける実験なのであった。「シメとして最高です」とお言葉添えを頂いて1F の “77 Million Paintings” をじっくり堪能。それぞれのタイトルは曲タイトルでもある。

気持ちも絶好調の状態で “ENO SHOP” は危険過ぎる…。こちらのスタッフさんも熱量高く、思わず Oblique Strategies を買ってしまった…どんなアイテムかはGGRとよし。親友へのお土産にTシャツも購入。不可避。機会があればもう一度来たいくらいの内容。全表現者必見です。

というわけで大満足でお隣の東本願寺へ。MASSIVE。こちらの物販もバラエティーに富んでいて面白い。ハンドバッグにプリントされた “850th” というどう足掻いてもバンドでは敵わない歴史の深さと、TシャツのボディーがUnited Athle なバンドマンポイントに微笑みつつ、火曜日からのロンドンへ向けてお土産を購入。何かの終わりは何かの始まり。

ご案内をいただき、すき焼 “キムラ” へ。佇まいから想像できる通りの風格ある店舗で、2階の座敷に通してもらう。周りには食事を終えたらしい家族連れと、2人組のカップルの2組。座ってENOさんの総括をしながら Oblique Strategies で早速遊んだりしていると、一向に注文を取られないことに気付く。

つかちゃんが覗きに行ってくれると、どうやら隣の男性が店員を集めて揉めている様子。そういう人もいるもんだ…なんて待っていると、その奴がこっちの席にも絡みに来た。俺の顔になんか付いているか?だそうで。私は文脈すら理解していないし、凄みも無くて手も足も出せず。お店の負担と邪魔になっていることだけは明確な事実。相手の女性もなんだか黙っていて、関係性が心配になる。

テキトーにあしらって視界から消えると、ようやく女性の店員さんが来てくれた…泣いているじゃないの。訊くと、やれ入店から態度がなってないだの、焼く/焼かないだの、返事の声が小さいだの。典型的な異常クレーマーだったらしく、全くどれだけ虐げられてきて育ってしまったのか、なにか金で成功して歪んでしまったのか。そんな奴のことはどうでもよく「あの態度なんなんですかね!」と怒っていたのが、実はとても印象的だった。

マニュアルに沿った処理で終わらすのではなく、店員さんが悔しくて怒って泣いて、我々3人は彼女を励ます。ちゃんと「あいつはクソ」だと、客を「一個人」として認識し、店と客とが「人」同士としてコミュニケーションできている。当たり前のことなのだが、東京では久しく忘れてしまっていた感覚ではないだろうか。

以上です。食べましょう!

マニュアル(敢えて裏面の英語版)に沿って焼いていく。When sugar melts!! (MANOWAR風)

POUNDING!!

両手に優勝を掲げる男。

というわけで絶品のすき焼きを堪能。ご馳走さまでした!素晴らし過ぎたので是非また来たい。

商店街の交差点には信号がなく、車やバイクが適度なタイミングで歩行者を縫って通る。初めてロンドンへ行ったとき、小さな交差点で起きていた現象と同じだ。他者を他者として認識し、コミュニケーションを取っている。気付けばこの街に魅了されてしまっていた。そして私がうんざりしているのは「日本」という括りではなく「東京」そのものか?ENO がこの街を選んだ理由もなんとなくわかるような。

名残惜しい気持ちも沢山。そして、のぞみとこだまの値段に大差がないのをこのとき初めて知り、タイムイズマネーを心に決めるのであった。

というわけでこだまの終電、19時過ぎに解散。ツカちゃん、オイちゃん、手厚いサポートを本当にありがとう御座いました!是非またゆっくりぶらつきたいものです。余談ながら今回のツアーでツカちゃんから “居候の達人” の称号を受勲。現状復帰が基本でございます。

ゆっくり帰れるぶん作業ができるのはメリットとも云える。23時前に東京駅へ到着。沢山の人が生活していながらも、干渉せず孤独を感じさせる人間関係はインターネット・SNSの世界観と似つかわしい。「面白いことをしなきゃあかんねん」つかちゃんと何気なく交わした会話が頭をよぎった。この旅で受けた印象は割と現実味を帯びているようであった。

6日間で5公演、タイトに無駄なく遊べた 〜RICH FOREVER TRIP 2022 KANSAI〜 はこれにて終焉。ご来場いただいた皆さま、各地でお相手して下さった皆さま、会場・対バンの皆さま、ありがとう御座いました。3日後からはUKツアーが始まろうとしている…。

それでは、続きはwebで。チーン。

#STDRUMS – SATURATIONS (with 原昌和 / the band apart)

【横井翔二郎とユージ・レルレ・カワグチのスーパーダイナマイトハウス】
season1-13
【だって(だって)編】

盟友とのラジオが始まりました。毎週月曜日朝7時更新。

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