METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

Travel

「本当に自由な音楽とは」Oslo のミュージシャン達から学んだ大切なこと。#STDRUMS U.K. TOUR 2025

投稿日:2025年11月19日 更新日:

11月17日 (月)
5ヶ月間滞在したロンドンから、一気にマンチェスター・オスロと北へ駒を動かした。水が美味い。Espen 戦闘員に淹れてもらったコーヒーは甘さと香りが引き立ち過去一レベルの美味しさ。「なぜか発酵しない」パンのトラブルあるあるを経て、改めて朝から仕込んでくれた自家製のブレッドにチーズやサラミを添えて食べる RICH FOREVER な生活。

午後4時前でもう夕暮れ。冷えた空気が刺さる道中で Why Kai を聴くと、これまで感じていた予測が次々に具現化していくように音と空間が絡み合う。素晴らしい。15分ほどで PARKTEATRET に到着すると、Kai, Elias, Ola そして Nora と Johanne の姿があった。渋谷で会った彼女たちもダンサーで出演してくれるのだった。

分かち合う “Manneglass” 編 / #STDRUMS & Why Kai【RICH FOREVER JAPAN TOUR 2025】

PARKTEATRET はライヴ会場のみならずバー (ホステル?) としても機能しており、壁にはGOLDIE のライヴ帰りに撮ったらしい日本人のセルフィー画像が貼られている。Elias から貰ったピザは特にチーズが美味しい。(現地民価格で考えれば払える金額)

その後、Kai と Elias が使うChristian Krohg のスタジオへ向かう。Why Kai とのツアーのやりとりを介して見ていた場所に来れてしまう違和感と喜び。ロンドンで当時会っていたベースの Leo とノルウェーで再会。明後日に向けての Jezebel リハーサルを見せてもらう。高い練度から生じる自由度の高さたるや。スタジオにはそれぞれ自身の機材を置いておくことができ、Elias は3台くらいドラムキットを自由に出し入れしていた。Kai の機材も全てここに揃っている。こうした充実した環境で行われる実験を日々を垣間見た。前室には VALKYRIEN ALLSTARS というバンドのレコードが飾ってある。

次のバンドのリハーサルにも Elias が続き、FIEH トランペットのLyder とも再会。わたしはEspen 邸へ戻り、いまから (0AM) 飲むため ART Bar へ向かう。家から到着までちょうど In the Sun, In the Rain のA面分の距離で到着。バンドのリハーサル終りでドラムの Thomas、Roger、Espen 戦闘員と MANNEGLASS。Roger、なにを着ているかと思ったら Nekromantheon の日本ツアーで残った分のTシャツということで、流石過ぎる。その後、トラムを使って (衝撃の瞬間が訪れる)、お知り合いのお店へもう一軒連れて行ってもらい MANNEGLASS。最終的にはタクシーで送ってもらってRICH FOREVER 帰還。

11月18日 (火)
北へ向かうと公園があり、近道になるかと入ってみると坂道ばかりで道を横切れず、巨大Kongle を眺めて集合場所へ到着。Ola, Kai と共に車で北上。5分も経たないうちに「Oslo はここまで」という。ノルウェーは小さい街と聞くが、那覇みたいな感じか。次の誕生日で iPhone を手放すとか、個人サイトでのブログ運営など色々話しながら1時間ほどで Jevnaker へ到着。伝説を目撃する瞬間。

ノルウェー最古のガラス工房 “Hadeland Glassverk” にて、特注の25リットル【真 MANNEGLASS】を受け取った。ガラス製品ゆえ保険で複数製造し、1つは途中段階で割れてしまったらしい。もちろん工房としても初の試み。創意工夫の末誕生した【真 MANNEGLASS】。並ぶ大量の SOPP から最小サイズの SOPP を選ぶ。ノルウェーの家庭料理、Elk のミートボールにクランベリージャムを付けて食べる Kjøttkaker これがまた極上に美味い。カントリーサイドなので水がもっと美味しい。食事代も出してくれて、お土産コーナーで Elk のソーセージをお土産で買ってくれる Ola。気分は甥っ子。

SIMカードの設定がうまくいかず、この日までケータイの電波が止まっていた。目まぐるしいハードな日々を過ごしたロンドンから一転、ノルウェーの山道を走る車から、ただ外を眺めて過ごす時間。期待に満ちた3人。ノルウェーで過ごした日々は「そんなことがあるのか」の連続でしかなかった。日常とは自分次第で非日常に変えることができる。

Oslo へ戻り、Ola が使っている Paradiso Studio に MANNEGLASS を運び入れて宣伝動画作り。壁には彼らを通じて知れたレコードが並ぶ。ちょうどミックス作業をしているということでスタジオ内にもお邪魔して、最新の録音を聴かせてもらう。音質も発想も極上のエンジニア、Christian と話していると彼のバンド Apricot のレコードを見せてくれた。くれるの???甥っ子パワーで増えていく我がノルウェジャンコレクション。聖地での任務を終え、駅でコウちゃんを拾い、Espen 邸まで来てくれてスーツケースドラムを車でスタジオに運んでくれる Kai。無敵だ…。

19時ごろに昨日のスタジオでリハーサル。ベースのLeo、そしてギターのAksel もロンドンで当時出会っており、これは後から発覚した事実だが、当時我々は同じ HAZEL COURT に住んでいたのだった。そんなことがあるのか。Javi を中心にお互いが片手に持っていたきっかけが、いまこうして再び繋がり合う。

スーツケースドラムをセッティングして “21st Century Schizoid man” のリハーサル。…全てが順調。決めの部分だけは流石に繰り返して詰めて、1時間もせず終了。そのまま “SATURATIONS” のバンドリハ。全てが順調。

昨日Jezebel のリハーサルで感じた「自由度」とは、それぞれが日々の演奏で培った広い器と経験値をもって、音楽の自由を肯定し合うことで生じる喜びの連続だった。信頼度とリスペクトに満ち溢れた音楽と演奏。テンポが早いとか、ズレた、などの感情は個人が想定している理想に対してのギャップであり、他の人間と共に作り上げる「ライヴ」に於いて持つ必要がない。感謝は自分自身の日々から生まれる。コウちゃんとこの時間を一緒に体験できたのもよかった。スムーズすぎるリハーサルを終えて、Why Kai バンドセットのリハを少し眺めて撤収。

なにやらドルで一山当てたらしいコウちゃんの奢りでスーパーマーケットへ買い出しに行き、サーモンとポテトのグリルとサラダ。料理からマネージメントまでなんでもやる Espen とは年齢も同じで近しいvibes を感じる。ノルウェーへの愛情が止まらず止むなく長文になっていく METAL TRASHING FIT II。明日はいよいよ “MANNEGLASS FESTIVALEN” 当日。

それでは、続きはwebで。チーン。

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