METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

Daily Travel

14/09/2023 : Tokyo to London / NEW AGE OF LIFE / #STDRUMS U.K.TOUR 2023

投稿日:2023年9月15日 更新日:

Charing Cross から地上線で南の Catford Bridge に到着。初めての駅。ロンドンの南部らしい喧騒を横切り、所定のパブへ到着。この地で飲む GUINNESS には太陽すらをも引き寄せる力があるようだ。

ブログのタイムラインは春のツアーを振り返っている最中、動けなくなってしまった。どういう順番だったか定かではない。ロンドンに行っている間、空いている事務所を改装できる運びとなった。少なくともこの件は7月頭から計画が始まり、管理会社と管理委員、オーナーと業者とのやり取りを密に続けている。全く私はドラマーではなかったのか。しかも、進んだ歩幅は僅か。全くなにをやっているんだ。

だがロンドンへの期日は変えられない。出国までには荷物を運び出し着工を夢見ていたが、結局荷物を纏めるだけに留まってしまった。今回の工事を引き受けてくれる圭郎にはたっぷりとお礼をする必要がある。

月の裏側など容易い。旅の準備と引っ越しが重なる狂気を味わったことはあるだろうか。週末は司関が工具持参で、KLEPTO のサポートを挟んで泊まり込みでレコードラックなどの解体作業を手伝ってくれた。部屋の解体が進んでいくも音響一式の領域が確保され、段ボールに詰めていく最中にピックアップされた盤を聴いていく。

今回の作業ですっかり仲良くなった茄子の段ボール。堅牢かつ組み立てやすく、レコードがすっぽり入る。左右の余りスペースはCDで埋めれば完璧。音源を大量に持つ引っ越し希望者の方は覚えておいた方がいい。

10数年と住んでいた場所だ。思い出とは1つ1つが個別にテリトリーを持っているらしく、壁や押入れからうっかり無作為に寄せ集めてしまうと、10年前と10日前の記憶が同時に降り掛かってくるから危険極まりない。溜め込んでいたモノたちは心から引き抜かれていく様に虚空となる。

振り返れば、振り返り続けている人生のように感じる。目を向けるべきは今と明日だ*。部屋を彩ってくれていた数々の宝物は、思い出としての職務をもう充分に全うしてくれた。アスタ・ラ・ビスタ・ベイビー。残りは記憶と共に過ごそう。

出発前夜、片付けも大団円。横井翔二郎と冷蔵庫の片付けと称して部屋の最終夜を過ごす。やはりこの男か。オーディオは活かしているが、聴く盤がない。手元から取り出せそうな段ボールを開くと、David Bowie のCD と MAGMA が出てくる辺りがアツい。Ayana から貰った松坂牛を焼いて昇天。

13日。旅が始まる。そんな希望に浸る余裕もなく部屋の最後の片付け。遂にオーディオ機器もまとめ、キッチン周りも「最終②」と書いた段ボールに放り込まれる。冷蔵庫を掃除できなかったのが心残り。

リフォームの件で日々(先週彼と旅していた鹿児島・九州訪問も含め)の連絡にも憔悴していたため、すっかり疲れ切ってしまっていた。そんな私に楽しむことを伝え見送ってくれた男の写真で、このツアーをスタートすることとしよう。旅が始まる。

見知らぬ地。
人々。
突き抜ける空。
蒲鉾型の地下鉄。
はじめてロンドンへ行ったときの記憶は鮮明だ。
目に映るもの全てが美しく、希望に満ち溢れていた。

#STDRUMS
〜 U.K. TOUR 2023 〜

予定より少し遅れて14時に空港へ到着。

去年と同様 Vietnam Airlines での渡航。価格は去年よりも更に1万円ほど高騰。預け荷物が 30kg から 23kg に減少してしまったのが問題だ。アンプと椅子で約 7kg。スーツケースドラマーには由々しき事態である。

したがって今回はアンプ、ペダル、椅子、CDは現地調達。革ジャンやステッカーなど重いものをスーツケースから移してなんとか23kg クリア。それでもサイドスネアを持ってくることは諦めた。日本からのチェックインはオンラインで済ませておくと割とスムーズに進むが、今日はやけに列の進みが遅く、やはり海外旅行は余裕を持って空港に来る必要がある。

荷物を預けられて一安心。冷蔵庫から持ってきた飲み物の処理をしようとカバンを開くと、

まじかよ。
一気に流し込んで酒臭いまま保安検査へ。帰りたい。

無事に通過。
一缶飲んでしまったのだから、やるしかない。

こうして16時過ぎに河内さん目指して日本脱出。

隣空席勝利確定。

始まってしまった…。

荷物を減らした分、持ってきた OP-1。部屋の整理のタイミングで改めて触ったのをきっかけに、今回のツアーでどういう効果をもたらしてくれるだろうか。

約5時間でベトナム・ハノイへ到着。現地時間は19時。次の搭乗は8:30。史上最長の待ち時間であることは言うまでもない。空港に入るため再度の保安検査の際、腕時計の留め具のピンが外れてしまった。カゴに入っていなかったらアウト。

この間、借りられるアンプを探す。頼りにしていた Javi は25日までアイルランドにいる。事前に連絡を取り合っていたのにも関わらず「会えないこと」に気付いたのは今朝で、日本でのこの数ヶ月がいかに波乱であったかが伺える*。

ベトナム空港の wi-fi 環境は良いとはいえず、接続がランダムに途切れてしまうため通話なども難しい。VPN の影響か閲覧できないサイトも多い。各所へ連絡をしつつ、微睡みつつ時間を潰す。

朝6〜7時頃、スピーカーを貸してくれる人がいると友人から連絡をもらい一安心。なんとか8時を迎えていよいよ搭乗。ここから11時間のフライトだというのだから幸せな拷問である。

幸せ噛み締め中。アジアらしい香りのヨーグルトが特徴。

トランジットからロンドンに向けての飛行機は大体いつも混み合う。そしてスタッフの忙しさに快適度は比例していく。OP-1、ブログ、作曲、読書と長続きしない作業をルーティンさせて、睡魔の訪れを図って寝落ちを繰り返す作業。

14時頃、遂に着陸態勢。窓の切れ目からテムズ川が覗く。ヘッドホンから流れる SQUAREPUSHER はちょうどノイズタイムに突入し、不穏過ぎる雑音とエンジン音が混ざり合い危険信号。無事到着。

ちょうど空いているタイミングだったため、僅か30分ほどで外に出られてしまった。来たぜロンドン。腕時計をロンドンタイムに調整していると、その最中電池が切れてしまった。針を動かすパワーしか残っていなかったのだ。荷物整理中に出てきた『身元不明の電池』が脳裏をよぎると共に「時間を気にせずやってくれや」という時計からのメッセージと捉えることにした。

Oyster Card をチャージし、UNDERGROUND へ。Elizabeth Line という新たな線路ができたのだが、Piccadilly Line からの空を見ないでなにをしに来たのかを疑う。任務完了。Charing Cross から地上線で南の Catford Bridge に到着。スタートへ戻る。

電車内でのやり取り。駅ですれ違う女性。パブで目が合った人との乾杯。現実となっているコミュニケーションを嗜みながらパソコン作業をしていると Hugo 登場。今季の家主である。

シェアハウスに案内してもらうと、なんと部屋まで用意してくれていた…!以前 Hazel Court ではゲストルームとして部屋を当てがってくれていたが、しっかりとした個室は初めて。こうして “ロンドン自立生活支援センター” さながら、初の『家賃発生案件』を楽しんでいければと思う。

ダンサーのビアンカとシンガーのエイケイ(のちに遊びに来ていただけの友人と判明)。様々な人びとと住人として仲良くなれるのがシェアハウスの面白さだ。通りもんを食らってくれ。

オフライセンスでビールを仕入れ、ラグビーワールドカップを観ながら乾杯。ちょうど Hugo 故郷のフランスとの試合。フランスはラグビーが盛んで、彼もルールに詳しい。

既に眠いが、もう少し耐えれば時差ボケの調整ができる…と思ったタイミングで Yuis (ZURITOフルート担当) から連絡があり、家にで合流。明日は音楽学校の面接があるそう。

9歳〜11歳に向けてのスクールで、技能試験(どういったものを教えるか)と面談の内容確認をしに来た模様。リコーダー1本で様々な技巧と表現を見せていく。これだけのスキルがあるにも関わらず “音楽だけの仕事” では食い繋げないのは万国共通。『音楽しかできない』と『音楽で食っていきたい』は、繋がらないものである。

結局追加でビールを補充し、ピザを食べながら大吉のおみくじに書いてある内容翻訳と日本語講座を開けば24時。これぞロンドンを嗜み、到着初夜を祝うのでした。

それでは、続きはwebで。チーン。
*これら一文が、今日までブログを更新できていない全ての言い分として機能してくれよう。

– LONDON THE MOVIE –
#STDRUMS / JUST A PHENOMENON (Digest)

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