METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums Daily

RICH FOREVER TRADITION 2023 完遂御礼

投稿日:2023年11月30日 更新日:

11月23日。約2ヶ月半のロンドンツアーを経て、日本へ戻ってきた。7月頭から進めていた事務所のリフォーム計画は余裕を持って完了しており、荷物の整理を並行して企画に向けての準備を進める。

…終わっていない。それどころか、最新情報によると年明けまでの延期が決まっている。日本の悪しき建築業階の風習。村社会よろしく管理組合 (住居者) が持つ謎の権力。自社の責任になるかどうかでしか考えられない無能な管理会社。

バブル時代に建てられた当物件は昭和のネガティヴポイントを満遍なく兼ね備えており、工事を担当してくれている圭郎へは只管に迷惑を掛け続ける羽目となってしまっている。「他の業者だったら逃げ出してるよ」と自負する彼の言葉は誇張もなく納得。

というわけで、家がない。特典の準備が待っている。作業の場所がない。多忙極まりない翔二郎の家に居候させてもらうが、旅の疲れは癒えることなく蓄積されるばかり。ロンドン滞在中に覚えた身体の痛みを知るべく病院に行けば保険証の期限が切れていた。

現場での寝泊まりも挑戦したが、粉塵と寒さにやられ…結局翔二郎宅に居座る日々。お風呂&換気扇掃除・トイレ掃除・夕食の支度。それはそれは楽しい日常である。

倉庫からプリンターを引っ張り出し、現場の休み時間に粉塵と戦いながらプリント。CD-R を発注し、翔二郎の PC を借りて2台で一気に焼き上げる。盤面に関しては諦めるしかない、全員のサインで落とし所をつけた。

11月29日(水)
しっかりとお互いの体力を削り続けて当日。日差しと共に目が覚めると Axel から帰国を祝う連絡があった。「家に帰れていない」以上、私のツアーはまだ続いている。

11時に渋谷 RUBY ROOM へ到着。店長メメちゃんは予定をずらしてくれており心強い出勤。エンジニアにZ社長。映像に丸山さんとリッチフォーエバー最強の布陣が揃う。RFT に相応しくキックには Jordi カレンダーが貼られていた。

リハーサルは主に場所決め・機材の動作確認・そして「何をやるか。」回らない頭を共演者の皆さんが支えてくれる。Tシャツを畳み、物販コーナーを生み出し、盤面にサインを描いてなんとかオープン時間に漕ぎ着けた。

“RICH FOREVER TRADITION 2023”
河内大和&横井翔二郎 のリーディングバンドとして結成された “Bi-syu” と #STDRUMS のツーマンイベントとして毎年開催される「風物詩」が、今年は五十嵐雅、紀ノ貴紀、笠原佑介の3人がゲスト参加。

今年はエンジニア福島章友を迎えての【ダブミックスver.】や、諸石和馬・うめぼとの【トリプルドラムver.】など、ソロドラマーではなく #STDRUMS の可能性を模索していた。

情報が先行する現代。相手への理想像を一方的に押し付けるようなディスコミュニケーションの日常で『俳優×音楽×映像』の即興ライヴとは、イメージできる枠組みから外れ、何が起こるかわからない “刺激” がテーマ。

(使う可能性を加味して持って帰ってきたバスキングの看板はこの日に破棄。最期を撮らせてくれないのが私のケータイ。)
ロンドン↔︎東京での映像通話のやり取りを重ね、私のブログをそのまま『台本』として使おうと提案して下さった雅さん。U.K.TOUR 2023 の9月20日から26日までの記事を用いたテキストが仕上がり、ドラムを徐々にセッティングしていく段取りを組んだ。

ブログはドラムの次に長く続けているライフワークだが「声に出して読まれた」ことは一度もない。ましてや、活き活きとした生命力に溢れる “雅節” で朗読されると、意図していない感情面が押し出てくる。歌手が変われば曲の印象が変わるのと同じ。(と言えるのかい)

撮り貯めた映像を象徴的なビジュアルに変換してくれたタカノリくん。セッションを重ねて呼吸を合わせてきた笠原さん。あくまでも「バンド」という意識から外れずに、しかしながら “#STDRUMS” の表現を手伝って下さったゲストの3人には頭が上がらない。

意図的に条件付けていた「即興」は、昼と夜で公演内容の表情を大きく変えてくれた。朗読ではあるが音楽でもあり、映像作品でもある形は今後も必然的に掘り下げていくことになるだろう。

Bi-syu はシェイクスピアの十二夜をリーディング。河内大和を以ってして、いよいよシェイクスピアの起用。即興で付けていく音楽はレコードを使ってきたが、現在 “手札” は倉庫にしまってあるため、ロンドンで買ってきたお土産の10数枚のみで挑む。まだ聴いたこともない盤も含めて、真の形での「即興」ができるのは風物詩として回数を重ねてきたバンド “Bi-syu” への信頼ゆえである。

一番の “当たり” だった Electric Warrior は恋の電撃。前日にざっくりと聴き通した Herb Alpert & Hugh Masekela のライヴ盤は壮大なフィナーレにハマったように思える。シェイクスピアは悲劇ばかり触れてきたため、スカッと進んでいく喜劇の面白さに触れられたり。

(雅さんの忘れ物の板。)
夜公演のソールドアウトに伴い昼公演の追加。偶然やってきた外国人観光客も楽しんでくれたり、RUBY ROOM の懐の深さを感じる終演後「俺も Hugo っていうんだ」というフランス人。

今回の公演内容とロンドンの経緯を伝えると、なんとなんと、まさにストーリー(ブログ)に出てきた Hugo をはじめ、Axel、Lluis とも友達というのだから世界は狭すぎる。イギリスをきっかけに渋谷で芽生えた新たな関係性は来年に繋がっていく。

Bi-syu と #STDRUMS によるツーマンイベント “RICH FOREVER TRADITION ” の挑戦は続きます。各メンバーは活躍の場を広げ、力を蓄えてまた来年集うことでしょう。どうぞご自由に、辛辣に、開催をご期待いただけますと幸いです。この度はご来場いただきありがとう御座いました。

それでは、続きはwebで。チーン。

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