8月7日 (木)
微妙な寝付きでの木曜日。備忘録:Ferrish 宅初日からダニのような虫刺されに遭う。家のベッドを懸念したが、どうやら別 (恐らくBBQ後に行った家のソファーでの仮眠) の原因だったらしく安堵。急な引越しもありバスキングもろくにできていない8月だが、ライヴ後で組み立てる側に気持ちが向いており制作。ロンドンでの米の扱い方も少しよくなってきた。
21時過ぎにDalston に着いてLoner に連絡すると「10分後に会おうぜ」となり、1時間連絡が取れなかったため1人でThe Jago に向かう道中「今日は行けないけどまた会いましょう」と連絡をしていたAnna とばったり会う。
入ると既にジャムは始まっており、カラフルな団体がいる。どうやらベネズエラから来たバンドらしく、彼らとのセッションが始まるらしい。カリプソとコンゴがミックスした超トランス!ジャムへの参加はできなかったが、今日はフリーではなくジャンルを横断した文脈が必要だったので仕方ない。常に新しい音楽を得られる木曜日The Jago に感謝。
昨日のライヴを見てくれたというラファエルはThe Old Dispensary スタッフ、カタリーナの兄弟だった。メキシコ人のシンガーで、国への入国ルートを手に入れる。終わって様々なミュージシャンたちと話していればすっかり深夜。ドラマーPaul と途中まで同じバスに乗って帰宅。気合いのスパゲティー。
8月8日 (金)
Matias と連絡を取りながらバスキングに向けて荷物を纏めていると…録音用のレコーダーマイクがない。トラブル尽くしの慌ただしい状況下においてソロ活動は限界値がある。仕方がないと言い聞かせるが、ロンドンでの忘れ物は堪える。
急ぎで昼食をとって家を出たものの、店が開くのは16時からと知ったのはバスに乗ってからであった。仕方なし。時間もできて、ハイハットクラッチをお借りしたお礼もあったので、仕方なく。向かいのレコード店 “Dash the Henge” に辿り着くと、Patrick いるじゃん。状況が好転してきた。お店に入ってしまった以上は、仕方なく、物色。
小さいステージもあるお店で、ライヴのスケジュールを訊いてみると、9月11日にライヴ即決定。これは…?こうしてお土産も増え、本件のThe Old Dispensary を捜索。ステージ、なし。楽屋、なし。もう一度ステージをよく見る。どこにレコーダーを設置したか…。
なんとiPhone ごと置き忘れていた。よく残ってくれていたな…。改めて荷物はよく確認する必要がある。まあ、できない状況に陥るから難しいのだけど…。諦めない気持ちがカルマを断ち切った。忘れ物を取りに行った結果、新しいライヴ予定を手に入れた男はバス経由でKing’s Cross へ。ほぼオンタイムで来れてしまった。30分ほどしてMatias 登場。広場の方まで歩いて様子を見る。以前やったときは即止められた地。外側に行けば露店がやっている。…露店?
タイルの色が違うのは私有地か公道かの違いなはず。香水の露店に交渉すると快く受け入れてくれて、道側にセッティング。秒で止められることもなく、20時過ぎに終了。新しい場所を見つけられたのは大きい。地域によって出会う人々の種類が変わるのも面白い…なんて話しをしていたら、露店の人間が実はシンガーであった。機材を色々持っているようで、3人でなにかしても面白かろう。
そして突如現れた男性から得た食料。ロンドンは期限切れ間近だったりする食料をボランティアで配る人々がいたりする。Matiasは先に帰り、図らずとも夕食を得て一息つく。
バスに乗ろうとすると、少年?から声を掛けられる。充電ケーブルが欲しいらしくライトニングだったので貸せた。行き先も近かったので一緒に乗ってアニメの話しをする。欧米人はバトルものが好きね。昨日の用事を無事に済ませて、Dalston から帰ろうとするとKingsland と Junction を間違える。駅員に返金をお願いすると、途中で乗り換えてくれという。こういうのは本当になぜ?無駄足のお陰でブログが進む。駅から家までのオフライセンスでGUINNESS の喜びを分かち合ったり。
帰宅してクイック風呂のち、身軽にして満月の下 Canning Town に向かう。DLR・地下鉄が外を走る風景とジャングルが絶妙にフィットしながら FOLD へ到着。遂に来てしまった “Goldie All Night Long: Golden Era Set 91-95″。列に並んでいると前にいたEyuba, Jordan, Dean と仲良くなる。はやいな〜。
二重のIDチェックと顔写真照合を経て、ロッカーはURL経由でのネット支払いのみ。Jordanチームが困っていたので支払いを助けて会場に入るとスモークが焚かれまくり、誰がどこにいるかすぐにわからなくなる。
SUBMOTIVE から始まり、Metalheads パートを経て26時ごろからいよいよ GOLDIE 登場。ミドルテンポから徐々に激しくなっていき、往年の名曲を挟みながらノンストップ。5時頃からフロアとの気合比べのようになってきて、終演の6時にはマラソン完走の達成感。
トラックのシンプルな部分を軽快なバランスでMCが埋めていくのが実は一番重要な仕掛けに感じた。エゴや主張とはまた違うMC・ラップの立ち位置。全く媚びを売ることなく、容赦ないViolence なドラムと身体を揺さぶるベースでフロアは熱狂を加速させていく。撮影なし・物販なし。喋りは最後だけ。攻め過ぎっしょ。
TIMELESS のリリースから30年。ドラムンベースを「ジャンル」ではなく「カルチャー」として体験できた日。会場から出ると対比するように雄大な朝日が現れて、下りの階段に足が耐えきれずコケる人々。なんというか「よくわかった」日だった。様々な感情がぐるぐると交錯し、カスカスになった膝で家を目指すと Peckham Rye を経由。ロンドンの朝焼けと雲を追いかけて7:30に帰宅。