METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

Travel

音楽が繋げる居場所と意志 / MOTHERLODE at The Social / A WARP HAPPENING at Barbican Centre / #STDRUMS U.K.TOUR 2025

投稿日:

6月13日 (金)
これはある意味「究極の休暇」である。よい天気が続いているなか機材が揃わないため身動きが取れない #stdrums。容赦なくチーズが使えるのはロンドンの特権の1つ。

Cosmo から受け取ってもらったUK版ビジネスカードを手に入れる。次の日曜日に合わせて送料も奮発したわけだが、あえなく活躍は来週からとなりそうだ。

というわけで時間ができたのをいいことにトイレのドアノブの修復作業をしつつ、小雨の降る夜は Piccadilly Circus から歩いて The Social へ向かう。一昨年知り合い、今夜のDJイベントへと誘ってもらった。入り口で「一昨年ライヴやったドラマーだよね!」と早速声を掛けてもらえる待遇。

Benk, Mitch, Kostas… 出会った仲間たちとの再会。当時のライヴを本当に喜んでくれていたようで、9月にはヘッドライナーでのライヴを予定してくれている。立地の都合上ハイソサイエティーなクラブ・Venue が多いなか、The Social は良質なカルチャーと音楽を提供してくれる貴重な場所だ。

階段を降りて「今日DJやるのかい?」と声を掛けてくれた Lucas も The Social の仲間の1人だった。キャッシュレス化しており現金が使えないなか、出会った人々がサポートしてくれる。拠点の1つとしてこの場へ居させてもらえることへの感謝と、単独でツアーをし続けてきた自身の活動がこの場所へと繋がった感慨が交錯する夜。

アフターパーティーについて行こうとするもはぐれたため、雲に揺られる月夜を眺めながらバスでゆっくりと帰宅。ドアノブの修繕を完了し、9月に向けて高まった意欲で寝付けずもう少し作業を進める。

6月14日 (土)
昨日 Ian の投稿を見て BATTLES のライヴがあることを知る。急遽チケットを取ろうとすると Cosmo も乗っかってきてくれて一緒に行けることになった。お昼は Laura 作のポーク蜂蜜ソテーとサラダ。Laura はとても料理が上手なのでヨーロピアンスタイルを学びたい。

現在の立地に改めて感謝しつつ、Mansion House から歩いて Barbican Centre へ到着。いわゆる Venue かと思いきやホール会場での “A WARP HAPPENING”。

ACT I “Setup” : Seefeel / Clarissa Connelly
ACT II “Confrontation” : Mark Leckey / Slauson Malone 1 / Battles
ACT III “Resolution” : BULLYACHE / Evian Christ

3部構成に分けられたライヴはLED スクリーンを巧みに使った “Seefeel” のライヴから始まり、ステージ転換中に客席での声楽からステージへ上がる演出での “Clarissa Connelly” …まさにこれは、RBJT2024 でやろうとしていたシームレス転換そのものじゃないか。

休憩を挟んで “Mark Leckey”、スクリーンを巧みに動かした転換で始まったチェロとの2人組 “Slauson Malone 1” その後スクリーンは左右へ移動し、Slauson Malone 1 の機材がステージに残ったまま始まった “Battles”。ショートながらも、どこを切り取ってもライヴ感溢れる100% BATTLES。最高である。

アクティング、ダンスとエクスペリメンタルミュージックを混ぜ込んだ “BULLYACHE” を経てラストの “Evian Christ”。大量のスモークがステージ正面後方から照らされる照明に反射し、左右のストロボが混沌する異次元を作り上げるアンビエント・ノイズ。これまでの綿密な構成とのコントラストを狙ったかのように、最後の曲が終わると即時に客電が点灯し終演を迎えた。

今日演奏された音楽にはサビやコーラスといった、人々が認識するための「記号」がほぼ存在していない。それを音楽として認識させるセンスこそが問われるわけだが、”Slauson Malone 1″ に関していえば遂にアヴァンギャルドかつノイズミュージックが Barbican という2000人規模のコンサートホールで撒き散らされていた。

そんなことが成立できるのは WARP RECORDS がこれまで培ってきた信頼と実績、そして受け入れる土壌があってこそ。推しだのなんだの、勝手に作り出された「記号」と同調に塗れた気持ち悪さとは真逆であり、音楽から発生する体験がもたらした「真に気持ちの悪い」素晴らしい時間だった。(一応の補足すると、”本来” 機能する「推し」といったものに言及はない。音楽やカルチャーの主体以外の尾ひれとして記号化された機能が主軸を握ってしまうことへの疑問である。)

エントランスに出れば Aphen Twix の Twin がお見送り。なんというカオス。この後 Cosmo とのシューティング。Shakespeare Tower は最下層で月家賃 £1,000,000 とのこと。どういうこっちゃ。撮影して戻れば Laura お手製のトルティーヤが待っていた。超美味。曲がりくねったものが次々とクリアになっていくロンドン。音楽と意志を再認識する、まさに “A WARP HAPPENING” な夜でした。

それでは、続きはwebで。チーン。

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