METAL TRASHING FIT II

by Yuji "Rerure" Kawaguchi #STDRUMS

#stdrums

【新MV公開】#STDRUMS – SATURATIONS (with 原昌和 / the band apart)

投稿日:2022年4月10日 更新日:

というわけで #STDRUMS の新作MVが公開となりました。
原昌和(the band apart) をゲスト・ベーシストに迎えた、ネジ倉庫での “一発録り” 記録映像。
HAISEN SESSION” 以来、おおよそ2年振りの映像作品です。

2021年6月、とある倉庫での『レコーディング実験』が予定されていた。ドラムに立てるマイクの本数をアンビエンス・キックの3本のみに絞り、MTRではなくカセットテープにダイレクトレコーディングする。これは録音後は編集はおろか、ミックス作業すら不可能なことを意味している。この辺りの詳細は本作が音源としてリリースされる際に触れることとしよう。

原ちゃん(出会ったときの流れで “ちゃん” 付けになってしまった) とは何か一緒にやりたいと思っていたタイミングで、ライヴでも演奏してきた “SATURATIONS” はベーシストと録音してみたかった曲だった。本件の場所でレコーディングしたい旨を伝えると快諾。寒過ぎず暑過ぎずな絶妙な気候のなかで、自由な発想と可能性を追い求める時間を過ごすことができた。原ちゃんには音源を送ったのみで、事前リハーサルなし。当日一発録音で見事キメてくれた。

カセットテープ本体やデッキなどを貸し出してくれた mashow さんは、この録音作業中に iPhone を接続できるスタビライザーと固定カメラの2本を用いて『レコーディング記録』として映像撮影をしてくれていた。すっかり音だけのことを考えていたため、私には発想すら及んでいなかった粋な計らいがこのあとの展開を紡いでくれる。

(レコーディング中の数少ない写真…片付け中のカミくん、mashowさん、シセキ)
いままでとは違うチームでの『実験』という名目から始まった本作は、徐々に作品として具体的な形を帯び始め、折角だからとジャケットデザインにも新しい風を取り入れようとしていた。しかし運悪く、ご紹介いただいた方々とはフィーリングの差異やスケジュールの突如変更などが重なり悉く頓挫。音源そのものは昨年9月に完成しており、リリースに漕ぎ着けない歯痒い状況が続いていた。

気持ちが落ち着かないそんな日々のなかで、ふと例の『映像』のことを思い出した。素材数としては決して充分とは言えないが、ひょっとしてミュージックビデオが作れるのではないか。と。早速丸山さんへ相談。素材を送った翌日に完成したのが本作となる。FASTER THAN THE SPEED OF LIGHT だぜ。

前途している通り、カメラ割りはされているものの音と映像は全て一発録り。ワンテイクで進行していく途中、スタビライザーに発生する不具合の瞬間を逆手に取り “The Song Remains the Same” のようなサイケデリック性を誘発する作りとなっている。ブログの記事がランダムに表示されるシーンはこの時期のツアーを経て倉庫へ辿り着いた旅の経緯とリンクしており、丸山さんは知る由も無いというのも脱帽だ。

自分の楽曲のベースラインを人に弾いてもらうのも初めてで、同じ音階をなぞっているにも関わらずここまで印象が変わるのは人力ループの面白さ、そして原昌和が持つフィールの影響そのものである。こんなにも “The talking drum” なフレーズになるとは自分自身ですら予測していなかったし、ラストシーンは完全に “アレ” でしかない。

皆さまの多大なるご協力を経て完成した、棚からぼた餅よろしくの本作。敢えて音質に触れていないのは音源作品を楽しみにしていてもらいたいからこそ。とうとう遂にジャケットの制作も進み始め “ドラムソロ作品” として想像を遥かに上回る仕上がりが期待されている。それまでは「春の知らせ」と呼べるこの記録映像作品を楽しんでいただると嬉しい。

それでは、続きはwebで。チーン。

【横井翔二郎とユージ・レルレ・カワグチのスーパーダイナマイトハウス】
season1-4
【EPICで挟んでみよう編】

盟友とのラジオが始まりました。毎週月曜日朝7時更新。

-#stdrums
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

日常に音楽を取り戻そう【RICH FOREVER JAPAN TOUR 2023】声明

時は自身を変化させるかもしれないが、時を遡ることはできない。(Time may change me but I can’t trace time.) 大学新卒でのサラリーマン時代、池袋で終 …

#STDRUMS【RICH FOREVER AUTUMN JAPAN TOUR 2020】完遂

ライヴを終えて明くる月曜日。 CAMELに打ち砕かれ寝落ちしてしまったようだ。 お昼過ぎから続編のGENTLE GIANTを楽しみながら記憶の整理。 快晴の空の下、中京の街を歩く。 15分ほどでBar …

4月23日:本厚木ホルモンGIG vol.12【RICH FORVER JAPAN tour 2017】

気付くと狭い部屋の床に4人の外国人男性が深い眠りに付いていた。 昨日からツアーが始まったのだ。 既に慣れてしまったような感覚とまだ始まってもないような錯覚が入り混じる濃厚さ。 長時間のフライトから続く …

18/11/2022:#STDRUMS + nakaitoshifumi at 京都RAG 〜通過〜 #RBJT2022

ツカ邸の朝は早い。5日連続ライヴの3日目を迎える男は8時頃にスーツを着て出社。束の間にて暫くパソコン作業。 三条駅からRAG へ到着。暖かく迎えてくださるアキバさんとノジさん。ここのステージは床が硬く …

20190610 #STDRUMS “LOTUS ROOT” LP RELEASE PARTY 【RICH FOREVER SEMINAR vol.5】〜ONE DRUMMER MAN FREE CONCERT〜 渋谷CYCLONE公演

圧縮して過ごした4月、5月。 振り返れば月日とは平等に経過しているらしい。 6月に入るとカメラロールの写真は激減していて 日々家でのジャケット折り込み・クラウドファンディングのリターン品製作業と 練習 …

Archives